中国武術では「発勁」とは力を発するということ。
その発勁にもいくつもの方法がある。
そのなかでもわかりやすい三発勁を大切にしています。
十字勁・沈勁・螺旋勁。
ワーク中に自分が意識して利用しているのはこの三つ。
十字勁。
これは体のコア部分から筋肉が手足の先に向かって膨張していく発勁。
筋肉は筋収縮して力が出るものですが、
そこを数歩先に進めた仕組みを体内に作り上げます。
そしてうまく伸筋を伸ばして使うことで膨張発勁に。
沈勁。
これは体の重みを使う発勁。
物質としての重さが体にはあります。
だからフリーフォールさせる。
すると真下に力作用が及ぼされる。
その落ちる力を方向性を他力で操作。
この発勁は筋力を使わない。
だから肉体疲労が起こらない効率的な発勁です。
螺旋勁。
これは体の中の筋肉の特性を理解して動かせばこうなる。
たとえば内転筋が斜に構えた姿勢ではねじれが入ります。
このときの筋肉をねじる力は、
ゴム動力のプロペラ飛行機のようなもの。
ゴムをグルグルと回して力を貯めていき、
それを一気に放てば空にも舞ってしまう。
そのような力を筋肉内部で発揮させる。
またこの螺旋の動きが正しくはまらないと、
関節のはまりが浅くなり力が失われるので、
この螺旋の動きは自然に生まれるようにできている。
ただ日頃の身体の使い方が固まっていると、
ことさらに自然な動きを造り出さなければならない。
赤ちゃんとかは自然にこの動きができてるんですよね〜。
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で結局この三つの発勁方法。
これを一つずつ分けて作動させて練習をするものの、
時期に三つを関連づけて同時に動かすようにする。
これができたとき素晴らしい機能的且つ美しい動きとなる。
たとえば優れたダンサーの動きを見る機会があれば、
うまく発力ができている。
身体の可能性を引きだしていて実に気持ちよい。
踊り手も観客も一体になって気分がいい。
そのときに動きを分析しながらみると、
この三発勁が自然に現れているのです。
だから中国武術でもダンスでも
他の多くの技芸でも同じように観察できるはず。。。
そんな目で動きを分析してみると動きの質の良否を見て取れる。
そして動き方をコピーする時に結構これが役立つものなんです。