たとえば5kgの赤ちゃんを抱っこしてみる。
健康な赤ちゃんはやけに重く感じる。
何らかの問題がある赤ちゃんは軽く感じる。
つまり抱っこして軽く感じてしまうならば、
危険な状態かもしれない。
または何らかのストレスで緊張しすぎている。
だから昨日までは抱っこすると重かったが、
今日は軽く感じられるというときがあれば
赤ちゃんの体調をいつも以上に注意を払うべきだといいます。
武術で相手を投げようとするときに、
相手が緊張していてくれれば容易に投げられる。
だがリラックスして体全身が緩んでいると地に根が生えたように重く感じる。
筋力で相手を押して倒そうとしても倒れにくいのですが、
自分が脱力して相手に重みを伝えると容易く相手を倒せます。
自分の体の質量がまんま相手に当てられるためです。
筋力で倒そうとすると自分の体の質量の多くは自分の中に向かう。
そうなると筋力ばかり使って合理的でパワフルに相手を倒せない。
でも力の発力方法を研究したことがない方はたいていここに陥る。
健康な赤ちゃんが自分の重みを抱っこされる人になげかけて強い
作用を相手にもたらす力と同じものを応用すれば、
ものを押したり倒したりするのも容易になります。
力の出し方がうまくなると、
「健康的な赤ちゃんの重さのごとき重みを伝えればよい」とわかります。
これは長年訓練した人でなくとも要領さえつかめればできるものです。
ただより体を赤ちゃんのように緩々さを深められれば
より効率的に重みを伝える能力が向上して強さが増す。
この話とも通じるところがあると思います。
赤ちゃんでも重く感じたほうが健康ならば大人とて同じことです。
赤ちゃんのように体の芯まで緩んでいて心身が緊張しない状態で
ありつづけるよう気を使ったり訓練しているならば健康なんです。
体に何らかの問題があっても自然治癒力が働いて改善しやすい状態です。
ちなみに重みを伝える技は練気関連の本を読むとわかりやすいでしょう。
興味がある方はぜひ研究してみてくださいね。