寸勁圧

私が施術をするときに、圧をかけるとき。


私と同業者の方が、
どのような圧を使っているのかと、お客様に質問を受けました。


同業者に対しての答えですから、すこし専門的になります。
一般の方にはご容赦ください


ざっくり言えば主だって、2つです。


■ ”重み”を活かす圧


圧は私の体重の重みをウエイトシフトしてうまく制御し、
乗せるときもある。
そのときは比較的、筋緊張を作るような作業はしなくていい。
だから楽な圧の作り方です。


基本はこの重みをつかって、
施術をするようにしたい。
しっかりとした、
自身の圧をかける際のポジション取り。
骨格のフォームを几帳面に計算して設置するには、
しっかりした先達の姿勢を研究していきます。


重みをかける方法は、
微細な力から自身の体重を原資の限りとしての強圧まで、
自在に取り出せるのが強みですね。
それができるようになるまで、
体重計を圧して、加圧感覚を訓練をするものです。




ですがそればかりでは対処できないケースが、
それが実は私が今行う施術では山のようにでてきます。
実際は、そこがあっての私の独自性を活かせるところ。


特殊な圧を作り出して、
それで加圧をするのです。



それは、、、


■ ”寸勁” を使う圧


中国武術でいいますところの『寸勁(すんけい)』です。


助走になるモーションを持たずに圧をかけるという方法。


(1)かかとを地面につけて軽く圧をかけ、
(2)骨盤を目的方向へ回転させ(大腰筋や股関節周りの筋など脚のインナーマッスルをつかう)
(3)胸郭を目的方向へ回転させ(広背筋や前鋸筋等々の腕のインナーマッスルをつかう)
(4)ブロックに接触している手にすべての回転により生み出された圧やエネルギーを伝え圧す。(圧を伝える手は肘や手首が力んだり折れ曲がらないように注意)


このやり方は、垂直に脊椎を立てておければ、
一般の方でも、練習すれば難しくはありません。
腰部のゆるみを十分に作り出せて、骨盤と胸郭を切り離せること。
また屈筋群の筋力を用いて力んでやっつけてやろうという気持ちを捨てましょう。
あくまでも骨格を整えて軸を定め、無駄な筋力を抜き必要なもののみを取り出す。
それをするには中国武術でいうところの、ファーソンといわれるような腰が緩む。
これができていることが必須です。


回転させることが圧に変わるというのは、
歯車を用いたアナログ時計のようなものですね。
いくつもの歯車がかみ合わせられて力を強めたり早めたりできますよね。
その原理を体内で計算的に起こしていると考えてください。


自身のなかに幾つかの歯車を設定していきます。
大きなところは骨盤部や胸郭などもありますが、
それだけのざっくりしたものだけでは大雑把で、
適宜、中間の歯車や極小の歯車などを、
イメージで思い描き設定していきます。
その設定するには、
基礎的な人体のバイオメカニクスがわかっているといいでしょう。


それで助走をつけるような力を貯めるというところから発想が転換されています。




ただし、伸筋がもろに使い倒されているというところや、回数を打たなければならないというところ。
それにも増して、垂直に骨盤や胸郭部を立てて掛けるならばいいのだが、前傾した状態での寸勁は。。。
計算が難しい。。。


寸勁の際の体内で想定した歯車がスムースに回転させきれないときは、
その歯車同士が力を渡しきれずにきしみだし唸り声をあげる力が私の体内にこもるようになります。


それがもとで頭痛やめまいや吐き気や、
それに背中の異常に気持ち悪く強圧な張りや、
大腰筋部分の強烈な拘縮状態などが味わえます。。。


それで私は数日前、気を失って倒れましたが、
どうにかスマーティと波動調整機とゼロプロマッサーと木刀でごりごりしたりなどで、
翌日の施術に穴をあけずに済んでいます。


そこまで説明して
私が「トライしてみますか?」ともうしますと。


お相手:「いえ、けっこうです。^-^;」


とのきっぱりした回答をいただきました。


私:「ご検討いただき、ありがとうございました ^-^」


内心、トライしたいといわれたとしても、未だに自己研鑽中でしてと苦笑いしていたでしょう。
ただ、重みを使う通常の施術のやり方自体、意外にできていそうでできていない。
それで自分の体がきつくなってしまう人もいるので、
重みを使う一般的なやり方のトレーニングだけは、
教えられそうなのですが。。。

                                                    • -


話変わりまして。
昨日、17年ぶりのお客様がお見えになられました。


体の調子を崩してサポートのやり方をネットで検索していたら、
ボディワイズのブログがでてきてご予約メールをいただきました。
ありがとうございます!


そのお客様には、ご家族及びご友人までボディワイズに来ていただいていて、
とてもお世話になっておりまして。
懐かしいなぁ、と感慨にふけっていました。


ちなみにこちらのお客様が受けてきた施術は、
私が施術をしてきた際に、
今では考えられないほど、
痛みが強く出る施術でした。



だから、施術の予約をしていただく際に、
当時を思い出し、
当時の私しかご存じないわけです。



「絶対に痛いに違いない!」
そう考えておられて、
びくびくされていたことでしょう。 



あの当時は、本当に筋膜を強圧で解いてたし。
今考えれば、重みや寸勁やら、意識できてなかった。


今だからいいます。
痛くしてごめんなさい m__m。



施術を受けていただいている途中に、
「鈴木さん、まだ、ここでずっとやってたんですね〜」
と、おっしゃっていただきました。



我ながら長い道のりを歩いてきたんですね。。。



そして、継続してきた研究成果の変化を体感していただけて、
ほんとうにうれしかったです。


とりあえず、以前のままの強烈な痛みではなくなったという、
その点を知っていただけたことも嬉しく思いました。 ^-^;