体の柔らかさと体の運用スキルは比例する

身体の使い方と身体の柔らかさは比例した存在です。
または比例して向上させるべき問題ともいえますね。


体をやわらかく解くことは様々な施術の技術を利用してできるでしょう。
ただ教科書に掲載されているテクニックだけで対応するには限度があり、
相応に創意工夫を加えていく必要がありますが。


たとえばかつて遠方からこられていた方で
ワーク間隔を一週間に2回のハイペースで
ワークを受けていただいたとき。


驚くほど短期間で体がしなやかになられました。
「今まで自分がしたかった姿勢が理想通りできるようになった!」
と美しい首筋や腰部のくびれや脚部に変ったことを喜んでくれました。


このようなハイペースでのワークを受けるには条件があります。
「体の使い方が十分理解できているかどうか」です。


その方は医療関係者でしたし、
フェルデンクライスなどで体の使い方を研究なされていました。
だからハイペースでのワークをお引き受けできました。


もし体の使い方の基本的ノウハウが未知のようであれば、
このようなハイペースでの体の書き換えはお客様の体に負担がかかります。
そのためにお客様の体の使い方の理解の度合いによって、
解く準備ができたかどうかを推し量ることが出てくるのです。


筋膜リリーステクニックなどを適用すれば、
体が柔らかくなります。
それは体の中の筋の長さを決めている神経の誤作動を正したり、
筋膜の癒着をはがしたりする物理的な変化を起こしますから。
それはできることです。


ただ脊椎が前後や左右に側弯していればそのしこりが支えになっています。
そのしこりによりゆがんだ状態でも楽に立てるのです。
しこりで体が守られている側面がある。


そして脳は常時している姿勢をとろうとします。


筋膜リリースでしこりがなくなったとしても、
また脊椎を側弯させるような使い方をしてしまう。
つまり脊椎を側弯させない使い方はずっとしていないため、
たとえ体がまっすぐになる姿勢だとしても違和感を感じる。
違和感を感じる姿勢を不快と感じて、
またいつもの脊椎をゆがめたときの姿勢をとり、
しこりを作り上げていくプロセスを通るのです。


このときに上述の方は身体をどのように操るべきかのノウハウ事態は
よく研究なさっていたのですね。
脳はマンネリ化した感覚を好むもので、
筋膜が緩めば勝手に身体がまっすぐになっていくなどとは考えなかった。
身体の筋膜が緩んだらどうすればよいかは、
わかっていたのです。
だから脳のマンネリ思考と戦い客観的に自分を制しました。
今まで欲しかったが身体が柔らかくないと得られなかった
重要な気づきを多く得られ順調に状態が変っていきました。


身体の使い方とやわらかさは車の車輪の両輪です。
両輪を同じように回していくことが、
もっとも順調な身体のコンディションを向上させる秘訣だと思います。