背骨を縮める癖をチェックしよう


日記でもときどきお勧めしている
「フェルデンクライス身体訓練法」を読んでいて。


過労気味でいると仰向けに横たわったとき、
背中の背骨が地面に当たっているところと浮いているところがはっきりする。
もし椎間板が柔軟な骸骨人形をみれば
仰向けに寝かせばしなやかに床面に背骨がひとつずつ沿っていくだろう。
だが緊張した人の腰椎や頚椎は大きく床から離れてしまう。
無意識に力を入れ続け抜くことができない。


仰向けで手足を持ち上げるとき、
しなやかに動かせる人は背骨が伸びていきます。
すると背骨と床面の開きが狭まり脊椎が休まります。
テキスト通りに25回ほど新たな動きを意識して小さく手足を持ち上げると
次第に緊張して短縮した手足が私には明らかに伸びていることに気づきます。
大変気持ちのよいものですし、ちょっとした驚きです。
やり方の感覚がつかめないと実行しても得るものは少ないかもしれませんが、
少しずつ感じがつかめると15分ほどで先ほどまでつらかった呼吸が
ずいぶんと楽になるのです。


たとえばこのエクササイズをするときに、
肩を持ち上げて手を持ち上げるときに手首から先が脱力できない人がいます。
脱力できていないことに気づき力を抜くことができるようになると、
とたんに胸が広がりだす感じを持つ人がいます。
指先の自在な表現が、
気づかないうちに手の指をつかさどる伸筋群が過剰に働き、
不自由にさせていたことに気づくでしょう。
この気づきもすばらしい成果があると思う。

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このようなエクササイズを実践してみたことがない人がいたとします。
通常は緊張した動きをする人が足を持ち上げようとする。
すると背骨と床面の開きが広がり脊椎の緊張が増します。
腰骨を窮屈に反らせている。
足を持ち上げるとき腸骨筋で足を持ち上げています。
すると脊椎が緊張してしまう。


一時的な緊張だけならばよいでしょう。
ただこの脊椎の緊張は外的なストレスから身を守る防衛システムで
無意識に働いてしまいます。


たとえば私の仕事の場合なら手足を強く踏ん張り力を長時間取り出します。
繊細に圧の方向にどれだけの量でどれだけの浸透力かなど計算をします。
この計算した圧を心がけると手足にかかる負担の蓄積はすごいものでして。
手のときは手がしびれたり心臓が不整脈になってみたり
足のときは大腰筋が硬直して周囲の消化器を不活性化させたり膝を痛めたり。
そんなときは脊椎を自分で気づかないうちに短縮させて
苦痛や恐れから身を守ろうとし始めるものです。
意図的に背骨に力を入れているわけではなくて、
無意識に脊椎を縮めて不眠の原因にもなりかねない
敵から身を守る姿勢をとり続けるようになるわけです。

やがては甚大な被害の蓄積が生じて脱出が難しい状態になると思います。



これが肉体的な過労からくるケースです。


ですが精神的な押し寄せる負担により同様なことが起きてしまいます。
心と体は分けられないもので、
心労は体の特定部位の緊張によく現れるものです。