無意識に背骨をよじってバランスをとろうとする

姿勢検査をするとき静止姿勢でのチェックだけでは不十分のようです。


それはなぜか?


たとえば太極拳の演舞を見せていただいているとき。


じーっと見つめていると立ち姿勢はしゃんとしている。
首はしっかりのびてりりしい。
背筋も胸が緩み肩がいからず自然体です。
みごとに頭の重さが首から背中の背骨に抜けて
大腿骨から脛骨そして踵骨へ抜けていて美しい。



むむっ!
この人はすごいかもしれないぞ!



そう思いました。


だけど演舞をなさっているうちに上体がぐらついていました。
そのために得点がずいぶん減点されていたようです。


実は脊椎を曲げるときに無意識に背中をよじっておられるのでした。
おそらくなんですがご本人はそのことに気づいておられないでしょう。
右足を地面について左足を持ち上げるときは脊椎は安定しているが、
左足を地面について右足を持ち上げるときは脊椎がよじられていてぐらつく。
体の中心軸の線が腰椎の2番か3番あたりからねじられてしまい
その上の上半身がひねられている。
そのひねられて軸足の外側に足がよりかかりすぎると
そこから軸足方向に上体がつまりだしてよってしまう。
そのまま上体全体が軸足に乗ると上半身が軸足に乗りすぎてそちら側に倒れるから、
そのときには頭を軸足の反対側に乗っけてバランスをとろうとする。


・・・・・文字で書くと本当にイメージしにくいもんなんですよね。


簡単な実験で確かめることもできる。
二本足の直立でたってもらい背中側に上体を後ろに反らしてもらう。
そのときに手先の左右の高さが違ってしまう人は上記のような傾向がある。
手が低くなるほうが軸足側なんです。
そして普段しっかり立てている姿勢なのに動き出すと無意識に軸足に乗り
そこから体を無意識によじりだしてしまう。


太極拳をなさっている方やダンサーや、
その他さまざまな技芸スポーツをたしなむ人は、
無意識に起きる背中のよじり動作までもチェック対象にしなければならない。


けっこうこれは他人が客観的に見るとよくわかるんですけど、
本人にはビデオで撮影されて説明でも受けないとわかんない。
そんなことも含めて普段の練習で気をめぐらし日々修正をし
進化なさっておられるのでしょうね。


そうして翌年の太極拳大会ではより高得点を狙われるのでしょう。


無論、まっすぐ自然体で立ててなければ、
この背中のよじりがどうのこうのと心配する以前の問題です。



先日の太極拳大会では
そんなことを思いながら見学させていただきました。