胸郭を整えて腰痛を軽減

骨盤が前傾したり後傾したり、
動きの異常があったり、
骨盤の立体がゆがんでいたりするとき。


そんな原因で腰痛になっているときに、
「骨盤ベルトを巻く」ことで症状を和らげたりしますよね。


仙腸関節を境に仙骨と腸骨がゆがみを軽減することができるからです。
これはよく知られたことですよね。


でも「胸郭にさらしを巻いて症状を軽減させる」ということは
あまり知られていないと思います。


胸郭に異常がでていることで、
腹圧をかけることができなくなっている。


たとえば肋間筋がひどく硬化し胸郭がゆがんでいたりしたら、
肋骨の下部の腹腔の上端部分の横隔膜が安定しません。
横隔膜の上下動がうまくできないため
腹圧を保てずに力が出ない状態だといえるでしょう。


そのような状態のときもつらい腰痛がでたりします。


ただ腰痛だけしか感じないわけじゃないようです。


たとえば、、、、、
みぞおち部分が気持ち悪くなって、
胃がどうかしたんじゃないかな?と思えるような
ぼうまん感で苦しくなったりするし、
腰部上方の腰椎1番2番あたりが厳しくもなるし。
そこは位置的には腎臓の裏部分なんですが、
そこをとんとんたたくとずきんずきん痛む。
心臓にも負担がかかってしまい動悸もでたりする。
そんな循環器負担で頭がくらくらしたりすることもあります。


不思議なほど感情的に不安定になる。
この感情の不安定はおそらく呼吸力が低下して息苦しくなる、
心臓が不安定になってどうなっちゃったの?!と動揺するなど、
さまざまな胸郭内の臓器から送られるメッセージのためかもしれません。



胸郭という胸の鳥かご状の立体が美しく整えられ機能的かどうか。


それはとても大切なことなんです。


その胸郭の胸の鳥かごをきれいな立体化するための一時的な手段に
胸郭部にさらしのようなものを巻いてサポートする。


ときとして信じられないくらい息苦しさが軽減して、
腰も自然に伸びて力みが消えて顔つきも穏やかに変わることもあるんです。
それが巻いてものの3分しないでそうなってしまうことも。





ただちょっとこの部分。
長年かけて少しずつ胸郭関連の筋肉や靭帯を固めてしまうと、
よーく観察すると大変な状態になっていることがよくあります。


筋肉があるはずの部分に骨があるように思えたり、
胸郭の形状が左右でまったく非対称にみえたり。
肋骨下部の軟骨がそりかえっているのもよくない。
でもそれ以上に大胸筋の硬化短縮が強かったり、
首筋が硬くなって上部肋骨が上方にずらされたり。
胸骨の上にある靭帯部が骨に化けていて。。。
脇の下にボールのように育った骨のようなしこりがあることも。


こうなった状況で胸郭の構造体を改善しようとさらしを巻いたりすると、
かえって心臓を締め付けたり呼吸がもっと浅くなったりすることもある。


骨盤ベルトではこのようなリスクは比較的少ないんです。
でも胸郭の場合には、
リスクがあります。


もし自分の胸郭にかなり問題がありそうなら、
この部位は自分で胸郭に布などをきつすぎない程度に巻くのですが
その前に改善を整体等で多少対処しておくほうが安全でしょう。


なぜ整体などが必要かというと
肋骨部位を安全かつ効果的にリリースするのは、
意外に難しいので。


肋骨や鎖骨は外圧をかけると骨折しやすいし、
筋硬直が進んだ骨や軟骨を含めた組織周辺には血管が圧迫されていて
栄養が不足しがちなので本当に折れやすいんです。


そして肋骨部を緩めるにも肋骨の骨の内側の内臓があるところっていう
押しても手が届かないところをも緩めないと。
この肋間の奥の筋肉が外側よりもずっとハードに固まっていて、
手で圧をかけて解くような直接的な一般の方が考えるマッサージでは
まったくもって歯が立たない部分なんです。


実際の話し、
専門家にとっても難しいところといえるのではと思います。


特に漏斗胸や強いはと胸やアレルギー体質の方の胸郭の硬化は
強いときが散見されますので注意が必要のようです。