ロコモティブ・シンドローム

『関節が10歳若返る「骨ナビ」健康法』著者:長谷川智という本を読んでみて。


『ロコモティブ・シンドローム』という言葉があることを知った。
日本語的に申せば、運動器症候群とのこと。
骨や関節、筋肉など、人間の身体の動きに関わる運動器の障害のために、
要介護や寝たきりになる危険の高い状態のことを指します。


このロコモティブ・シンドロームの推定患者数を年代別に調べたという調査結果。


70〜80代でほぼ100%、50代で約50%、そして40代で40%。


だそうです。


ただ現在の時点で、足腰に痛みがあるなどの自覚症状がない人が、
たとえば40代で40%のうちにだいぶん含まれていることです。


それに骨や関節に多少の問題があっても、多くの場合は
その自覚症状がないので適切な対応を取らずに、放置。
そうして長い年月をかけて「寝たきり予備軍」になる。


ちょっとショックです。



でも私もそのようなことは容易に予想できるものと思います。


駅で電車を待つ女性の腰部の前腕がきつい姿を観たり、
若い男性の首が前につきだした歩き姿勢を観たり。
江戸時代や明治後期の当時の日本人の写真とは大違い。
体を構造体として見つめれば、
骨や関節が不用意に曲げられ筋肉がこわばり、
いずれは骨化・骨棘した筋肉が骨にまで至る
取り返しのつけづらい状況になることでしょう。


そのような体の内部を通る骨格は中心軸を乱している。
関節が浅くハマってこわばり筋を作り出し筋膜を癒着させてしまう。
それを長い年月続けて入れば問題部の組織はダメージを受け自由を失う。
蓄積した疲労がリセットさせられる術をしらなければ、
いずれ要介護や寝たきりになるのかもしれません。


それは太極拳合気道などを高齢の70〜80歳の方々からわかります。
快活に運動を楽しまれるその方々の動きの質がいかに優れていているか。
骨や関節、そして筋肉に負担をかけないよう
巧みに使う技術を磨いた方々とそうではない方々との差は、
高齢になったときに顕著に現れる。



骨の間際まで至る筋肉のしこりは骨より硬くなれる。
すでに相当に優れた施術家が相当に長い月日をかけねば難しいでしょう。
ただ私はそのようなことができる施術家を個人的にはあまり知りません。
そこそこのマッサージなどの施術対応では一生に渡って改善はみこめない。
運動器に問題がでているので理想姿勢が一向に分別つかずに、
すぐに解かれた部分にしこりを復活させてしまいますからね。
泥沼のような状況に陥って抜け出すことができないようです。
そんな辛い状況で数十年という月日を過ごして来た方々と、
どれほどお会いしてきたことか。。。



ロコモティブ・シンドローム対策には、
体を使う方法を日頃より研究していくことが最良の選択です。
そこに真剣に取り組むならば、
要介護や寝たきりへのリスク割合が下げられる。
人生の質が底上げされるものだろうと思います。


私は施術とは、
施術は体を使いやすくするための下準備で、
体がととのえられて使い方を覚えるきっかけであると考えています。
施術をした後が、もっと大切なステップアップがあるのです。


『自分の足で歩ける健康なときは、
それが当たり前のことでしかない。


人間は動物です。
自由に思いのまま動きまわることで快感を得られます。
それを失うときに価値に気づく。』
そうテレビでご高齢の方が語っておられた。


40代で40%ですから。。。
せめて40代から手をうっておくといいのでしょうね。^-^)