体を動かすときのイメージで大事なことがあります。
【黒子】を多く働かせるのです。
浄瑠璃という人形劇。
人形をイキイキと動かすためには、
黒子に徹するものたちの技量によります。
人形を動かすにはどうすればよいでしょうか。
想像するに、
まずはじめに、
人形がどのように動くか、
イメージを描く。
次に、
そのイメージ通りに動かすためには
どのような力がその人形にかけられればいいか。
すると胴体や手足や首、頭など
それぞれのパーツを別々に動かさねばならない。
それを分解しつつ分析していく。
勘所を把握しつつ、
現象を見抜く目が必要です。
それが進まないうちに、
人形を動かそうとしても生きません。
逆に、
それをしっかり観ていくことが進めば、
人形の動きに命が宿っていきます。
自分の体を動かすときには、
自分の体という人形を動かす黒子をイメージして
動かすことも大切だと思います。
私は施術中にときどき眼を閉じ、
黒子を多数いるイメージをして
自分の体をそれらにより複雑に動かしていただく。
そのような感じを創りだしています。
自らが身体の一部を意識して動こうとすると、
動かそうとする場所の一点に意識がいつきやすい。
そのときにほかが見えなくなりますから。
そうならないように黒子によって動かされているようにする。
多数の黒子のする動きを感じ取り動きを作り出すのです。
このときには屈筋主体の体を縮めるような動きではなく、
伸筋を主体にした伸びやかに拮抗筋や骨を意識した動きが創り出しやすくなるものです。
体を動かすときの外観を鳥瞰図的に把握できるようにするから、
動きの質が向上するのだと思います。
そうすることができなければ、
目の前のお客さまの部分的な狭い目で捉えてしまう。
初心者が陥りやすい動き方ですね。
圧をかける際にどうすれば最大の利益がそこから得られるか。
その計算をしていくのですが、
繰り返し施行していくことで
徐々に観方が深まります。
そして洗練しくように。
わずか数ミリの力をかける場所の違いは致命的ですし、
圧が非力だったり過剰に力をかけすぎたりしてもよくありません。
自身の呼吸とリラックスに意識をしつつ。。。
体の芯を捉えて動きを作り出すことも大切です。
太極拳やバレエ等でもこのような動きのイメージを試みることは
面白いでしょう。