一般の解剖図はめったにない理想形人体像です

一般的な解剖学の本を目にすることはあるでしょう。
最近、1000円台で、『ぜんぶわかる人体解剖図』等、
ビジュアル的にわかりやすい解剖図の書籍が出版されていますよね。


こんなにも見やすいイイ本が、
お手頃価格で手に入るなんて。


そんな感謝がわいてきます。


この『ぜんぶわかる人体解剖図』で、
体の状態を実際に人で検査をすると、
読み取りセンスのいいものでしたら
差異の大きさに気づくでしょう。


肋骨や胸骨、椎骨の並び方、骨盤の状態、頭蓋骨など、
他にも様々な点がその解剖図の様子とは違っています。


だから『ぜんぶわかる人体解剖図』も含め、
他の多くの解剖図については標準型を示しているものなのです。
現実の世界では標準型の人物を探すことが難しいものですから。


臨床家であれば、お客様に説明をするとき、
標準型の解剖図をもちいて概要把握をしてもらい、
こんな感じでといった内容で解説していくのです。


それは便宜上、この図を使ってますよということ。


実際に人体をチェックすれば
それぞれが個性的な状態です。
解剖図通りにはいきませんよ。



このような要点を確認した上ならば、
スッキリした解剖図通りに人体が構成されているのではないことがわかります。


そう気づいて観察すれば、
解剖図とは違う状態なのは、
チェックすれば一目瞭然なのに。。。


標準型解剖図通りに体は並んでいると思い込みの目で見てしまうと、
曇りガラスで見えづらい感じの、ぼけた観察眼しか発揮できません。


本来、体を解剖図の標準型に近づけたいというのが施術の目的のひとつですが、
人体のパーツは解剖図通りに並んでいるものだ、という信念があると眼が曇り、
現状と理想像とのギャップに気づくことがない。


カラダの歪曲パターンを熟知している筋膜リリース施術家は、
現状と理想像とのギャップを埋めるためにはどうすればいい?
といった問に対して明確なリリースポイントを見つけ出して
効率的なアプローチができるでしょう。


整体やカイロプラクターなどの臨床家の書かれましたものでも、
専門書でなければ、カラダの歪曲パターンは明示していないことが多い。
そのため一般の方々が、人体の歪曲で頻発する歪曲体パターンについて
それを熟知する機会は少ないように思います。


そんなところが、
専門家と一般の方との差異になるのでしょう。


ただ一般の方でも、相当センスよく才能を発揮する人もいますが、
逆に専門家でも、現実の人体像が見えていないのではという人も。
^-^;



不思議と、人体の歪曲パターンを事前に熟知しておれば、
実際にそのディテールを分別できるようになるでしょう。


そのような分別できる澄み切った眼を作るようにすると、
書籍等で公開されたこともないような人体の特徴を知る。


そんなオリジナルな視力を持って人体を見つめることが
しっかりできているならば、
自然に自分がその施術でなにをせねばならないのかがわかります。
どのようなアプローチをすればいいか事前にわかればよいが、
わからなくてもその場でなにをすればよいのかが閃いてくる。



そのような臨機応変に対処できる能力が臨床上、絶対必要だと思う。


実際に私も施術中に幾つもの施術のテクニックを合わせてみたり
臨機応変に目的を叶えるような手段を見つけるよう務めています。


そういった過程で新たな施術に対しての気づきを得ていきますと、
より一般の解剖図とはかけ離れたといえるような実際の解剖図が
私の脳裏に描かれていきます。
この実際の解剖をを見抜く力が十分かどうかということと、
施術の成果率とは正比例するような気がしております。