身体バランスを調整する、ひとつのやり方

下図を観てください(かなり下になってしまいごめんなさい)。


左右の図ですが、、、


左のほうが左右シンメトリーで美しい姿勢
芯の骨が天地を垂直に貫き立位を支えます。
筋肉にはこわばる必要がない状態で、
表に現れる等高線が整えられている。


右のほうは歪曲している姿勢です
初期的な歪みは、
基本この型のパターンで歪曲
することが多い。


まさに「歪み方の型」として、
ひな形のようなものだと思う。


心臓を守るため右手でものをもつからとか、
肝臓の重さが右腸骨を沈めるためとか
理由は後付でいくらでもできるでしょうが、
結果は原因が複合してそうなるわけです。



左の理想姿勢の人は、
ほんとうに一握りの少数派。
私はほとんどみたことはないです。
姿勢の整えられていると言われる、
プロのスポーツ選手の方々であっても、
厳密に見て触れば、歪曲した箇所が埋め込まれている。



私を含めほとんどが、
右の歪曲した姿勢のパターンに当てはまる。


あるのは歪曲量が大きいか小さいかの差です。


歪曲が過ぎて脊椎がL字からS字にと胸椎の曲がりまででてきたり、
前後の歪み捻れる歪みが後々に歪み方のアレンジ。
それが個性的な歪み方として入り、
複雑化していくのです。


整体と歪体.jpg


左右の図を比べてもらえれば、
いくつかの違い探しができますよね。


歪曲したところ視線で、幾つか挙げれば、
・歪曲すると背が縮む
パンツの線が右が落ちている。
右肩のほうが高くなる
・左腰は少しくびれようとするが右腰は寸胴でまっすぐ
顎の位置が前
右膝が前出る
・顔の方向はあっち向いてても、目だけ前を向く ^-^;
その他にも、よくみると見つかりますよね。



体の表面で見えるところについは、
このように一般の方が観察しても、
容易に異変に気づくものですよね。




では、次に部分を皮膚の下の層まで考慮してみましょう。


以下の図は、上図の肩と首部分を抜き出したものです。

左は理想型」 で 「右が歪曲型」 ですね。


整体と歪体の肩首.jpg


左図で、綺麗にシンメトリーです。
頭も肩も胸も骨の構造体が支えをつくりますから、
筋肉は柔軟性を保てます。


赤ちゃんの筋肉に近いかんじですね。



右図では、右肩が持ち上がり左側が下がっています。


筋肉の硬度を計測する筋硬度計で計測すると、
右首筋のほうが左首筋よりも柔らかいようです。
といいますか歪曲が激しい方のケースでは、
左首筋の硬さは木製の板の硬度と遜色ない
そのような数値がでることもある。


肩や首が張って気分が悪くなる
そんなつらさがでてきますよね。
そんな肩首の不調は左側顎関節の噛み癖に入り、
顎関節症(=TMJ症候群)にまで発展することもある。
TMJでは左顎関節まわりの筋が硬化しすぎて、右側の顎がかろうじて使える。
だから右側の顎を使い続けたが、やがてその右顎に痛みが・・・。
でも実は痛みが感じられていないかもしれない左顎関節周囲の咬筋や側頭筋が
左顎を機能できないように制限していることからのとばっちりでそうなったなら、
そこを治さないと。。。


この時点で、筋硬度計で計測した結果、
この人は左肩や首筋が硬いな」とは数値で読めるわけです。


ただ、、、
ここが筋硬度計で計測する限界点。


それを知らないで使って喜ぶのは、
解せません。
(ここの限界を知っていたから、筋硬度計の購入を2年はためらい続けました^-^;)


つまりは表面上かまたは中層の上辺程度しか計測できていない
その中層以下の深い筋肉の状況がどうなっているのかについて、
見えてないものなのです


そして甚大なダメージは、中層より奥で起きているのです


踊る大捜査線風に言えば、
事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きているんだの現場が、
中層より奥深く埋もれた層なんです。



私は幾例ものお客様のリリースを徹底させていただいたお陰で、
一見すると右首が表層や中層上部は柔らかいように見えても、
右喉の深部付近や頚椎の深部にまでやっかいな拘縮を見つけ、
そこにかかる頸部の静脈等の頭部から体液を出せないように
せき止めてしまっているところがあることを見つけた。


他にも底をみないとわからない気づきが幾重にもある。


左首筋や左肩の表面等はつっぱらかって硬いのですが、
実は奥の深層部は右側の首筋等から比べればまだいい。
どちらかといえば左首筋の張力で上に持ち上げられた
上部肋骨群の変位が問題が大きいのです。


そのような状態も見えてくる。


ただしそれはまた基本パターンといえるもので、
そこから先に歪曲度や姿勢筋の劣化により、
筋膜の深層の硬さは幾層にも流れが分化し、
細かな分化がおきた際はミルフィーユ状態になっていくものです。


その状態の個々の個性を読み解いて、
元通りの理想型の左図に近づけるようにする。


理想的な整体上では、
このようなミルフィーユ状の累々と積み重なる層化されるような硬い筋膜層はありません。


このような積み重ねられた層があれば血液やリンパ液などの体液代謝が悪くなります。
特に大事なのが動脈管。
そのほとんどは、
怪我で致命傷を追わぬため
深層に埋め込まれているのです。
この埋め込まれた動脈管を深層筋の硬化部が圧迫する。
すると、あとは想像していただくような現象が起こります。


幾分かの冷え程度でしたらまだいいものの、
深層筋の硬化が過ぎて血液循環の悪化が内臓諸機関への血流不足を強いれば、
厄介な方向へと向かい出します。
肩や腕のコリは肺の状態を悪化させ生命力の源の気血の流れが悪くなります。


首や肩の緊張が抜けなければ、腕の運動性能も落としますし。



だからお客様の体全身を通して、
私が指先の感度とお客様の姿勢の様子などから見ようとしているのは、
筋硬度計で計測できるところの、ずっと奥のところです。


そしてそのミルフィーユ状になった層を感じ取れたなら、
時間はかかりますが一枚ずつ丹念に、丁寧に。


フォークで、ミルフィーユの層を一枚ずつ剥がすほどの
慎重さでクリーンにはがしていく作業をしてまいります。


そこのミルフィーユ状の癒着が剥がれていなければ、
一端は外形上の姿勢を何らかの方法で整えたとしても、
形状を記憶した合金のように、早々に元に戻る仕組ですから。


筋膜はリセットが不十分ならば、先ほどまでの形状を覚えており、再現(歪曲体へ戻る)するものです



ただ固まった層を剥がす側のフィーリングとしてみれば、
ミルフィーユほど柔らかいものではありません。
自律神経にまで影響が深く及んでいるようなケースならば、
強化プラスチックと同等の硬度をもつこともよくあること。


みんながみんな、
これほどまで硬いというわけではありませんが、
本当にどこにいっても良くなった気がしないな、
という感想で多くの施術院を回る方がいたなら、
ぜひ、そこへ焦点を合わせてください。


そこに埋められたものが消えたならば、
ひとごこちつけるような変化を体感できるかもしれません。




単純な話、私の施術のやろうとする大方は、
人体の奥にしまい込まれた硬いプレートを、
知識と経験と感覚で見つけ出していく。
そのような部位に気付き、
それを溶かしながら外す。



固まったプレートが動脈を圧して血の巡りを悪化させていた、
そこを取り外すことや、
呼吸器まわりの呼吸代謝を悪化させるプレートを抜いていく。
その他にも、本来柔軟性があるべき筋肉が、
その役目を果たせない機能しない筋肉があるなら
筋膜部に血を誘導し溶かして再生してもらえるよう務める。




施術と言ってみても、
それぞれの施術をする先生ごとに、
なにをゴールにするのかはまかされています。


私のやり方は、そこに愚直なまでこだわってきました。
ひとつだけの技に、わざとこだわりつづけてきました。


基本、自分で創った道具が一番内容を熟知しているし、
その御蔭で自信を持って対処することができるのです



私と似たやり方で経験を積んだ方は、
そこから生まれる成果の確実性や興味深い変化が続くことが当然としてわかるでしょう。



ミルフィーユ状の筋膜の層の奥に、感覚がフィルインできるには、
そこまでひとりのお客様を通して、変化していかれる過程を共有。
それをしてきたかどうかです。


そこに視線がいっているかどうか。
それは手を観ればわかりますから。


そうしてこられた先生ならば、
ミルフィーユ」という例えは、
単純すぎて現状把握が手抜きになるだろうから、
かえってわかりづらいから止めよといわれるはず。


検査や観察で皮膚の下で描かれた絵の複雑さをイメージに描き切るには、
芸術的な描き込みのセンスは必須だと思いますし。

実はそのような絵が描けた人は、
人体のなかに仕込まれた仕組を発見できるようになるはずです。
発見してそれをよりよく機能させるようにする発明をできれば、
自分にもっとも使い勝手のいい道具を手にしたことになります




腰を落ち着けて、そういった研究も必要だろうなと思うんです。