筋肉疲労等による命令伝達障害が起きるとき。

脳により体全体の動き方が制御されています。
適宜、最適な動作をするよう計算されている。
脳で演算された結果を得て命令を筋肉に送る。


脳からの情報を受け取った筋肉は、
言われた通りに動いてくれるはず。。。


ですが、実は脳からの命令伝達が、
筋肉の疲労が極めて強い場合には、
正常に伝わることはなくなります。


脳では十分に計算して痒いところまで手が届くほど丁寧に動作制御命令を下したとしても、
張りが強く炎症を持つ筋肉、
しびれたり麻痺を起こしている筋肉、
過緊張で硬化している筋肉、
むくんだ状態で筋繊維がはっきりせず虚脱した筋肉など、
正常な状態から遠のいた筋肉群は、
脳からの情報が理想的な状態では伝達されなくなります。


そのような脳から送られた情報伝達が届かずに、
理想とは遠い筋肉のコントロールをするならば、
体のバランスが最適化した楽な動きができるわけはありません。
むしろ体のバランスが崩れていることさえも気づけないほどに、
心地よく動くときの快適性や快感を感じる状態から離れている。


赤ちゃんがじたばたと訳もわからずに体を動かす際に、
満面の笑みを浮かべてキャッキャキャッキャしますが、
何気ない動作の中に体を動かす喜びがあるからですね。


筋肉が張りが強かったりこわばったり虚脱するなどの疲労蓄積が進んでいたら、
脳がせっかく最高の調整具合で計算して最適な情報を出したはずなのですが、、、。


動作をするための役割を担う筋肉には脳からの命令が届かないか、
ノイズが入った情報となったものが伝達されてしまったのならば。
体のコントロール制御が、思ったとおりにいかなくなってしまう。


いったんこの状態の強い傾向を持ったならば、
体を思うように動かせない結果は感じていて、
そこに少なからずの恐怖を感じるものだろう。


過剰に体の前面の筋肉群を固めたままの状態にして、
体のブレを減らそうとして、
その体の前面の筋肉の緊張がたえず抜けなくなったり。
また膝に力みが入っているならば、
腰の筋肉が過緊張になり縮むので、
背筋が伸ばせなくなり腰背部痛に。


つまり脳からは正常な制御するための命令が出ているのに、
筋肉にそれを受け付けられる状態ではなくなっているため、
命令伝達障害が生理的に起きてしまっている。
理想的な身体操作がかなわないときには、
体をがんじがらめにして固定させること。
それがさらなる問題を引き起こしますが、
本人的には無自覚でそのようにしている。



他者に自覚を促されたとしても、
すんなり認めようとはしません。


頑なに「そんなことはないはずだ!」と、
自身の正当さを信じて疑わないものです。
そこがまた、状況を複雑化する要因です。
正確な状況判断を鈍らせるには十分です。
脳と筋肉との連携が悪くなり混乱したら
自己修正機能が機能しなくなっています。
だから客観的に自己の姿を捉えるように、
自己の捉えを正確に把握すべきです。


ですが、
そこは自己否定をしたくない心理的作用のためか、
あまりにも頑ななのです。。。




命令伝達障害が起きるような筋肉状態は、
慢性化すればするほど抜け出せなくなります。。。


強めにそのような傾向がでたなら、
自力で復活するのは容易ではない。
通常は一生ものだとして、
終生持ち続けられて、
状態は悪化していく。


ただ相当、深く体を洞察して読める施術をする先生でなければ、
その対応は適切にはできないようです。
10手ほど先々まで読み込めなければ、
いい手は打てないものです。


施術が一時しのぎのカンフル剤になるか、
その後の改善へのきっかけにできるのか。
その違いはあまりに大きい。


そこに私自身も、施術の奥深さや難しさを感じてやみません。


複数の筋肉が連関して動こうとする力が分断されてしまうため、
それをつなげるという伸筋の連携の復活へとつなげる作業には、
その仕組をきっちり知り得るものでなければ、
ナビゲーションするようなアドバイスは困難。


自身の筋肉のコンディションを正確に把握するのは難しいものだが、
理想的な姿勢から大きくかけ離れてしまった状態でいついていると、
それはすでに脳から送り出された筋肉への命令伝達障害があるはず。
そのように考えてみても、当たらずといえども遠からずでしょう。
身体状況を、全身の立位写真や座位の写真を前横後ろから撮影する。
それで脊椎の側湾傾向があったり、前後の弯曲が強かったり、
上下の椎間板の詰まりがあれば命令伝達の問題が生じている。



それゆえの、
たかが姿勢、されど姿勢なのですね。