骨組みを立てる名宮大工を身の内に雇おう ^-^

数日前、祐天寺に散歩にでかけた際、
目新しい建造物を見つけました。


正確に言えば、現在建設中の五重塔
それも今は骨組みが見える状態です。



祐天寺五重塔骨組み.jpg


私は祐天寺に五重塔があったとは知りませんでしたから、
ちょっと驚きました。


五重塔というと、
関東近辺にも幾つもあるわけですが。
私には浅草寺池上本門寺が馴染み。
神奈川県藤沢市江ノ島近くにある龍口寺の白木の五重塔なども美しいですね。



ですが残念ながらいままで建設中の、
骨組みを観察できるような場面には
出くわしたことがありませんでした。


しばらく遠目で骨組みの構造を観察。
すると私がイメージするような心柱が見えない様子で。


「いろいろな様式があるのだろう」と、ひとりで納得。


どのような工程で作られるのかがわかりませんが、
五重塔の制作過程を見学できる貴重な機会ですね。


建築物の骨組み構造体を観察しつつ、

それを人体の骨格の重ねあわせてみてみましょう。


五重塔の芯棒として設置された心柱の構造は、
人体の脊椎の骨の並びに相応するのでしょう。


生木で作られた五重塔が持つ樹木の生命力は魅力的です。


私の立ち方のイメージも、
五重塔のような素直な立ち方でありたいと感じています。
前後左右それに上下の六方ともによく吊り合う状態です。


人は目や耳や鼻という外部情報を集めるセンサーが災いとなって、
視覚や聴覚などが捉えやすい方向にばかり気が取られだします。
顔の前方にばかり気が取られて後方がお留守になるようなもの。


そのような六方から集まる情報の量が均等さを失うならば、
そこから体の前後の歪みが生じてくる場合もあるでしょう。


わかりやすく考えれば、
スマホやパソコンを長時間見ているとディスプレイに顔が近づき出す。
そのような話ですね。


結果として目や耳や鼻からの外部情報を集めるセンサーの力が優位で、
体の内部情報をキャッチする体性感覚が弱い人ほど、
そのような不具合を起こしやすいようです。


今、祐天寺の五重塔は骨組みが組まれていくさなかです。


まさにその骨組みをどのような位置に設置させようかと、
建築物としての構造からくる強度を考慮した設計図を元に組み立てられていきます。


人体も骨格が構造体として倒壊しないような場所に各骨を協調しつつ設置していく。


そこの具体的な図面が正しく頭に収まっている造詣の深さに左右され、
その人のニュートラルな立ち方のイメージが完成するものでしょう。


私には常に今後の発展を期待して思索を繰り返す者たちが好きです。
バレエをしている方や合気柔術太極拳等をなさっておられる方々。
「これで、よし!」と、自らの感性で作り上げた姿勢やそれから生まれる動作も、
常に進化形として現状をモニターして不具合を見つけ出して更新を繰り返します。


そのようにして、
徐々に自らの外部センサーから取り入れる情報の音を取り入れつつも、
体内の内部センサーを働かせて身体の内側に仕込まれた内骨格の骨組みの
力学的な力の上下に流れる連なりを捉える力を増していこうとするものです。






少し話がそれてしまいますが、、、。 ^-^



昨日、バレエをしているお客様と話をしていたのですが、
「私は、以前、体が柔らかい人がいいなと思っていたんですね。でも、そうとばかりとは限らないんですね」


体が柔らかすぎる人は本当に故障もしやすいですし、身体操作の止めになる基準を作れるまではつらい。
実際に私が知っているバレエを海外にまでいかれてなさっておられる方の中で、
数名は腰椎椎間板ヘルニアや大腰筋周りの子宮などの内臓疾患を患っています。
それにバレエ等はなさっておられない一般の方でも、
頚椎や腰椎椎間板ヘルニアを患われていてという人。
ほとんどの人が体が柔らかいが内部センサーで骨格の並びをうまく制御できずにいた状況でした。


だからときとして「私って、体が本当に硬すぎて・・・」という人のほうが、
慎重に体の状態を整形していくようにリリースが計算づくでできるものです。
それは木彫をするかのよう。


柔らかすぎてという方は、
柔らかく水を含んだ粘土を扱うよう。
その粘土は乾燥して硬化するといことがないのです。


どのような立ち方でも、
その立ち方は過去から現在までの間に苦労して全姿勢筋を関わらせて学んできた学習の成果です。


それは大いに、十二分に私達の今の動作を創りだすために尽くしてくれているものなのです。
体が歪んでいる傾斜を支えるために、つっかえ棒のような強固なしこりを仕込むこともある。


ですが多くはそのようなしこりを作らねば内部センサーの目が修正能力を存分に発揮できないときは、
そのようなしこりがあったから骨格が斜めに傾斜していても、事もなく支えることができるわけです。


内部センサーにより骨の位置を正せないと柔軟度が高い人ほど内臓や関節、筋を痛めやすい傾向があります。


バレエの場合は、柔らかいゆえに関節可動域の量は稼げるのですが、
かえってどこに骨を持って行き設置すればいいのかの正確な位置が、
関節の接合からの響きを聞き分けられずに加減がわかりづらくなる。


そのことをお客様は、
柔らかいがゆえにバレエの質を問うときに難しさが感じられることもあると言っておられました。
私もその点について、同じ意見です。


ちょっとだけ体が硬いという人のほうが、有利に働く局面も多くある。


バレエを始めた当初に、体が固いと感じてコンプレックスを持つことはいらないでしょう。
少しずつ体に聞いて、どのような設定に体がしようとしてくれているのか。
よく傾聴していけば、そこからほどよいちょうどの硬さを残した状態になれると思います。


筋肉をいったん取り去った骨格模型化した自身の像をイメージして感じ掌握し、
それから意図してそれを並び直すのです。


ちょうどそれは五重塔の骨組みを、
ミリ単位で正確に立てるようなごとく。
名工といえるような宮大工さんを、
身の内側に雇うのが吉でしょう。 ^-^