自作てい鍼による胸郭内部の硬化部分を長時間リリースさせていただきました。^-^


自作ていしんを使いこなすようになって、
ひとつ、施術者にとってしんどいところがでてきた。


いままでは、どうあがいてもリリースができなかった部分に、
手が届くようになってきてしまった。


お客様サイドとしては、心強い対応力が増した状態といえます。
そこはこちらサイドとしても、押していきたいところ。


ですが、実際に以前ならば
『現実的にここは今の状況ではこれ以上は無理だ』
と割り切れていたところが、
少しずつ着実に、かつ安全にリリースできるようになったとしたら。。。


実質、胸郭周りという、
あたかも鳥かごのような形状をした肋骨部分は、
深く入り組んだ多層化した
胴体の筋肉と腕の筋肉や首の筋肉が入り組む部分。


癒着が進めばそれらの多層に折り重なる部分は解きづらいものだ。
それの固まった筋肉の硬度は肋骨の骨膜に付着する部分は、
まさにそれは鉄板のような堅さです。


そしてここに鉄板のような堅さがでると、
後頭部に時折かまたは随時、
脳への血流量を調整する調整弁となる後頭骨を下方に押し下げて
頭部への血流量を減らす状態をつくりだすこととなる。
この部分の鉄板のような筋硬化による首の筋肉や頭皮を下方に引く量に比例して、
時折か随時か、、、かなりつらい頭痛がでてきたりもするわけだ。



気持ちいい程度の圧をかけてもはじくだけ。


かといって強烈な圧をかければどうなるか?


うつ伏せ状態で、強烈な圧を両肩胛骨の間にかけると、
圧が体を素通りして鎖骨が容易にボキッと骨折するし、
おおざっぱな圧をかけて胸椎棘突起を骨折させたり、
上部肋骨にひびを入れるような結果を生み出します。



つまり現実的に、不用意な手出しの仕方をするなら、
施術を受けない方がよかったという結果が現れます。
それが今のアプローチをしていては、
これ以上のリリースは無理だという根拠でした。


それはあくまでも施術者側サイドの持っている技術の問題だといえそうだが。
実際、すべての治療院について精通しているわけではないのだが、
私が知る範囲のところでは、同様にこの部位をゆるめることには
成功しているところはなかったから。
そのような現状があるので、
「ぜひ、ボディワイズをあきらめて他院のあそこへいってごらんなさい!」
とお勧めしなくて済んでいたのです。



そのような上部胸椎にからむ
細かく奥へ入り込んだしこり部分は
そうぼうきんや菱形筋や起立筋、他などの多層に重ねられ
いったん癒着が進むと非常に肋骨と胸椎との隙間部分に
しこりと化けてにっちもさっちも動けなくなってしまう。


それにも増して、やっかいなのは、、、
この部分が背面側の硬化した部分だとすると、
その部分の前面側の腹側も硬化が同様に進んでしまっているのです。




もう、ここは肺と肋骨内側との隙間部分の世界。
一般の方には、これがなにを意味しているかとか、
どこのことを言っているのかなど、
ぴんときづらいかもしれませんが。


実質、外骨格筋部分以上に、
胴の内側の内蔵側部分の軟部組織の状態は、
生命維持や自律神経の調整に関与しているものだ。
そこに問題があると気づいていながら手が出せない。。。


施術は発展途上で、現状ではしかたがないところもある。


技術世界の向上はそういうものだが、
ですが目の前に、そこがたたっているお客様をみると、
ほんとうに悔しくて、ふがいない。



どうにか対処法を見いださねばという思いを募らせるばかり。



肋骨内の鳥かご状の臓器が詰まった部分ですから、
外科手術でもしなければ直接的には手で触ることもできないわけです。
鉄板状の堅さを長い年月をかけて作ってきた胸郭内部にできたしこり。
ここをどうやって解けばいいの?という疑問符が頭をよぎるわけです。



こここそが、私がやっかいだなと思うところなんです。



ただ、そのような部分も、
お客様によっては、
体の状態が進んで立ち姿勢の体の操作がよく、
十分にそのような肋骨内の鳥かご状の内側部分にかかるリリースが
可能になっていると考えられるお客様もでてきます。


要は、あまりにも未だ立ち姿勢が十分な理想型とはほどとおければ、
私は、体の外見の外骨格筋部分以上のリリースを先行させるべきで、
肋骨内部のしこりは取ってはならないと考えています。
つまり、この肋骨内部のしこりは体のフォームが崩れているから、
そこを支えるための最後の砦のようなものです。
生命力を削ってまで付けておいた方がいいと判断したものですし、
この肋骨内部にこさえたしこりという固定部分がなくなれば、
その方は肋骨内部の臓器器官を押しつぶしたりねじ曲げたり。
そんな風にならないようにせっかく作り出したギブス固定部を、
不用意に取れば、どうなるものか。
私は、それを想像すると、ぞっとします。。。


ですがお客様の中には、すでに体の軸が立てられ、
かえって肋骨内部のギブス固定は必要ないし、
あればかえって支障物となっている。
そのような方が出てきております。



今日の施術をさせていただいたお客様は、
そのようなすでに肋骨内部のギブス固定は不要といえるような
身体状況全体のみならずいい姿勢を作り出すノウハウも手に入れられました。


お客様に施術前に状態を聞くと、
身体はおおむね良好だが、
まだときおり後頭部部分に頭痛がおそうことがあるとおっしゃられまして。


それでは自作ていしんで、どうにかインパクト圧を駆使して、
今日は、今日こそは、肋骨内部を弛めるよう時間をかけよう!


と思って、必死だったのです。


私自身、その部分の施術をしていて、
あまりの長時間にわたるインパクト圧を繰り出す腕の使いすぎで
数回ほど意識が遠のきましたが。
それをどうにか姿勢を変えたり、
ていしんの持ち手を変えてみたりして、カバーしていきました。


それで、ほぼほぼ完全な鉄板状のものが、
だいぶん、ましな状態になりました。 
実際は、このましな状態にすることができれば、
すでに本人の代謝力があがっているので、
ゆるみだした鉄板状部分の隙間から血液が入り込み、
自力でのリリースが始動するきっかけづくりをしようと考えていたので。



ほんとうに相当な頭の使いようで試行錯誤を高速で繰り返しながら、
必死にリリースをしたことが、
最後に立っていただいたときの姿が、
私のお客様を見た目からも、
背中と首と頭の関係が喧嘩していない状態で協調している様子が見えました。



それをみて、ほっとしました。



施術を受けていただくお客様にとってみても、
貴重なお時間を割いてこちらへおいでいただいているので、
後につながっていけるだけの結果を残し、
今後に押し進めるようにしていきたくて。



ただ昨日は、こちらのお客様の後ろにご予約がなかったというものの、
時計を見たら私が想像していた以上の時間が経過していたことを知り、
「え!?こんなに時間が過ぎてたのか!」と驚きました。
極端な集中モードで施術をしているときは、私の脳波もディープなものに落ち着いてきます。
まさにそのとき、時間の感覚がまったくなくなっているんです。




最後に、こちらのお客様はバイオリンを弾かれる方で、
私が感動するぐらい、向学心たくましく学ばれています。
それもあって、ボディワイズで身体操作の土台形成になればと、
お越しいただけているところでもあります。



最近、私は二胡の独習状況で、ヴィブラートの掛け方を教えていただきました。
二胡教則本には書かれていないもので、
直接どのような指使いであるべきかを見せていただけたのは、
本当にありがたいことでした。
もし教則本に写真付きで解説してあったとしても、
実際に直伝していただけることがなければピンときませんので。