舌をみて調子をチェックしよう!

舌を見ること。

それを難しく考えすぎるより、
日頃からの観察眼を養うことが大切だろう。


たとえば、熱証か正常か寒証かを判断するには、色で大まかに見分けることができます。



舌色.jpg

中医学では陰陽のどちらかに傾くのはあまりよいものではなくて、
真ん中のバランスが絶妙にとれたところを健康体と考えています。

そこでのバランスが崩れておれば、そこに病邪が見られるということです。


上図でいえば、

■「淡白舌」は、血液の量があまり流れてきていない状態です。
十分な血の巡りがなければ熱を体中におくれていません。
それで血が足らない寒い状態ですね。
【気血両虚】


■「淡紅舌」は、これが絶妙な血流が確保された状態で、正常。


■「紅舌」は、血液量が正常より少し多くなってきた感じで、
正常よりも、少し血液の流れが多くなっているということ。
熱の強い症状を表します。
どこか腰痛とかの強めの炎症があるのかな?
などの状態を察知することもできるでしょう。


■「絳舌(深紅舌)」は、紅舌よりも熱が盛んになっています。
状態が少し悪化した様子ですね。
ちょっと体調が思わしくないから、施術のやり方にも注意が必要です。


そしてこちらには描きませんでしたが、
■「紫舌(青紫舌)」という舌色が青紫のとき。
すでにこのときは裏証といい病邪が体の深いところまで潜り込んでいるときもあります。
多くの熱が体内にこもって熱が極まったか寒が極まった状態です。
このときは、内臓部にまで病邪が入り込んでしまっているときがあります。
お医者様への診察を勧めるようにすべきでしょう。

 


ただ、人の皮膚の色もそれぞれ違いがあるのでもわかるように、
舌診で診る舌も個人差があるのです。
それ以外にも日頃、コーヒーをたくさん飲んでいたり、
色素の濃い食品をいただくことが多くある方の場合、
舌に色素沈着があってわかりにくいところも出てきます。

一見、陰陽のバランスを失っているような舌色に見えたとしても、
実は健康体だったり、
一見、健康体にみえる舌色であっても、
実は注意すべきということもあるのです。


そのような判断をするときに、問診、脈診等の他のチェックを同時にしているからこそ、
これは問診や脈診で問題ないようだから舌の色は参考程度に止めておこうということを見るわけです。
そういうことが可能なのが中医学診断の<望診・聞診・問診・切診>の診断をいっぺんにして総合して判断するからできることです。


そのような判断が難しいところは、
現状の私には、まだ、そこの正確は判断力はございませんので、
他のちゃんとした鍼灸師等の中医学を学ばれているところでチェックをお願いするといいでしょう。


ただ診断というと重々しく感じてしまうので、
基本的な病的な舌のパターンを知っておれば
見た目で認識しやすい。

脈診のような、脈をとる技術は実に繊細かつ難易度が高いものです。
こればかりは習いにいかなければ身につくものではないと思います。
それが舌を診るときには、そこまでの難しさはありません。
それでいて特に脾臓や胃などのコンディションを舌をみることもできる手軽さがあるでしょう。

 

 

臓腑と舌の関係図を、紹介させていただきます。

舌診の内臓対応位置.jpg 

これにより臓腑の虚実の変化を読みます。