立ち方の型で、できればちゃんと頭に定着させておきたい姿勢筋のこと

昨日の施術にて。

ピラティス等の動き方のセッションに通われているお客様から質問が投げかけられました。

「先生ごとに、どうやって立つことという指示が違ってて、選べません!」

なっとくです。

理想的な立ち方ですが、それは人それぞれ違ってきます。
それは股関節の関節の組み合わさり方などは顕著なもので、
大腿骨と腸骨のうす状関節と大転子の組み合わせなど、
誰一人として同じ形状ではありません。

たとえばドイツの人体模型メーカーですが、
実際の人骨から型を取って作成しています。
それぞれに生前の型を取った方の名がつけられているのですが、
男女の違いははなはだしいものの、
同性同士でも大腿骨の長さや大転子の大きさ、腸骨の凹ッとしたうす状関節のへこみの大きさや深さなど、
誰一人として同一形状はないので。

「良い立ち方はこうだ!」という、
ひとつの決まった型によって固定できるものではないようです。

そうした自身の特徴を深く理解できていないまま、
立ち方のノウハウが先行するという場合。

言われていることは頭では理解できたが、身体が受け付けない。

はじめは、いきなり新しいことを身体に取り入れたときに起きる軽いショック状態だろうと思っていたが、
腰や膝や首の不調がでてきた、、、これってなんか変だなとなったとき。

それは自分の体の中に備わった骨格や骨格筋というツールに、
まだ、知らない用法が含まれているのだろう。

そう考えることができるでしょう。


だがベースには、
画一的な部材を使って建てる建築物ではないため、
立ち方は、人それぞれでいい。

自信なさげに立つよりも、
堂々と自分なりに凛としていくのが正解だと思う。

気持ちの問題が姿勢を乱しもするし律することにもつながります。

いかなるときであっても微笑むほどの自信をみなぎらせてください!

私的には、つねづね、こういったものが大切だなと思ってます。





ただそうはいっても、、、
施術をうまく成立させるには、気持ちだけで押し切れません。 ^-^;
最低限、基準として守らなければならないルールはあるのです。

それは姿勢筋と位相筋。

私が立ち方をチェックするとき、身体を支える仕事に特化した姿勢筋を委縮させていないか?
凝りとはカンタンに言えば、姿勢筋という体を支えるために優れた筋パワーを持つ筋肉群を、
とっさの使い方で考えあぐねてそこを委縮させて、姿勢筋を使ってモノを動かしたり体を動かしたりしようとする。
本来、身体を支えるのが得意な姿勢筋ですが、ほんらい位相筋というアグレッシブな動きを担当する筋がすべきことを肩代わりしてしまうと、
超苦手なストレスフルな仕事をさせられてへとへとになってしまう。
そこから「凝り」の原石が生み出されます。。

だから動き方のノウハウというのも考えてみれば簡単で、全身にある姿勢筋と位相筋の別を正確に理解して、
うまくそれらが使えているかどうかを観て行けばいい。

たとえば大胸筋は姿勢筋に当たります。
この筋肉を委縮させる動きは、体全体の姿勢を猫背にさせる引き金となります。
だから大胸筋はのびやかに上下、左右に広げる、広がるイメージが維持されていること。

などの見方をしているのです。

だから数あるそれぞれの筋肉ごとに、これは姿勢筋、これは位相筋、分類わけをします。

そしてどの姿勢筋も委縮しっぱなしっていう凝りがある状態でなければ、
おおかたはそれでよい姿勢であるということができるでしょう。

私が施術前、そして施術後に、軽く状態を触ってチェックしているのも、
ひとつには姿勢筋と位相筋をうまく使い分けができる状態か、そうした状態に落ち着いたかをみているのです。



昨日のお客様には、かなり様々な身体操作の知識や知恵を満たされている方ですから、
「ボディナビゲーションムーブメント」という良書内に姿勢筋と位相筋が解説してありイラストがあるので、
そちらを参照していただいて、姿勢筋が委縮しておらずのびやかにゆるやかに広がる感じがよい姿勢だから、と説明させていただきました。
要は、姿勢筋ごとにチェックしていただいて、それを委縮させるパターンを持った筋使用がない状態になっていただければ、
どのようなムーブメント等の先生でも、さして文句が出るようなことにはならない。
おそらくその状態でも問題ありありだという先生がおられれば、その先生の姿勢作りが個性的な部分が多分に含まれている。
そこは習う生徒さまが自分でそれを受けとるかどうか。

ときどきどう考えても、それって変だよねということを、私も後で気づいて恥ずかしくなることをいってたことがあります。
もともとが成長曲線が著しい先生方には、そういったことがよくあるものなので。

そこの渦に巻き込まれないためには、人体の生理学的な範疇で確定的な条件内の姿勢筋と位相筋のことを、
頭に入れて身体操作を自ら判断し構成する参考にするとよいでしょう。


ただこの本のイラストだけだと表層筋のみの参照に留まるためイメージは描きづらいところもありますが、
カラーで描かれた全体像がわかるイラストを、他の本では見たことがないので貴重な資料といえるでしょう。


もし姿勢筋や位相筋のイラストを参照したいなっていう方がおられましたら、
施術のときに私に気軽に声をかけてください。