以前私の日記で書きましたテンセグリティのモデル。
以下に写真を載せてみました。
竹製割り箸と輪ゴムでできた
テンセグリティブロックを三段重ねしました。
少し上端を突っつくだけで、ぐらぐらと動く。
反応が激しい。
だが不安定だから強い。
風に吹かれた柳のよう。
時間がたてばもとあった状態に自己修復する。
誰でもこのような簡単に作ることができるので、
ネットで作り方をチェックして作ってみてください。
たのしい工作という感じです。
『アナトミー・トレイン徒手運動療法のための筋筋膜経線』という本に
「テンセグリティー構造としての筋骨格系」 (P18〜P22)と
筋骨格系をテンセグリティとの関係を解説した部分があります。
人体は機能的部品が巧妙に組み合わさる機械です。
その機械のパーツで欠かすことができない知識がテンセグリティ構造。
それはおもちゃのようなモデルを工作して、
手に取り人体の各部とイメージをオーバーラップさせて実感します。
専門的に体の構造を知りたい方は
ぜひ参考にしていただきたいところです。
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この竹製テンセグリティ・モデルは骨格部が竹で、
それがゴムの張力により宙に支えられている構造。
三角形のポリゴンが重なりあう。
この三角という形状が人体にいたるとこに見受けられます。
ひとつの筋肉でも
肩のところには「三角筋」という筋肉もあるほどですし。
「梨状筋」も三角に見えるきんにくだし、
あげてみればずいぶんあるんです。
他の視点観てみましょう。
二本以上の筋肉が関係して三角状を作る場合です。
たとえば首を立て頭を支えるにも、
胸部側の胸鎖乳突筋が前の張りで
背中側の上部僧帽筋が後の張りで、
うまく頭を三角形で支えられる。
この場合は「テントの支柱を立てる」イメージ。
一本柱の脊椎の上に頭が乗せられている構造ならば、
下を向いたり後ろにのけぞるようなことはできない。
対角する方向の二つのロープにより、
テントの頂点の位置をコントロール。
そしてそれがもうひとつその頂点部に関わるロープを掛ければ、
三方向に引くそれぞれの引き手の力加減で、
その動きのパターンは飛躍的に拡張される。
そして安定した動きを適えてくれます。
ただよくあるケースなのですが、
アウターマッスルなどの大きめな筋肉に気がとられて、
他のロープの所在がつかめなくて。
アウターマッスルの力任せで動かすと、
たとえば股関節などでは関節のはまりが悪くなるので
骨で支える浮遊感が消えてしまう。
一般の方向けの解剖学的な本がかなり出版されてはいるものの、
どうしても体感覚をそれだけでは伝えきれないですし、
直接指導してもなかなか伝えきれない部分なのでしょうか。
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または三角形をつくりだすことで、
庭師が使う50cm以上もある剪定ばさみを使うときの原理も
体内の筋肉には潜んでいるような気がします。
剪定ばさみを使ったことがある人ならばわかると思いますが、
はさみを閉じて枝を切るときに、
枝を前に押し切れますよね。
梃子の原理も応用されて。
このときに剪定ばさみと人の両手で井桁のひし形を作っている状態。
一辺を共有した三角形が二つ。
この井桁の構造も人体のなかにいくつも含まれています。
剪定ばさみを閉じるようにして剪定ばさみの刃の方向へ
ベクトルが向きます。
そのベクトル方向へもう一押ししてあげてスムースに動かせば、
力みなく強力なパワーが自然に取り出せます。
ただもしベクトル方向への一押しの加勢がないと、
突っかかった感じになり動きの切れ味が悪くなる。
切れ味が悪くなるどころか体内にダメージをためる。
強力な力を発揮できる仕組みには、
使い方を知っていれば快適だが、
誤用すれば問題が生じるという
諸刃の剣のような性質があります。
だからダンサーなどは解剖学を学ぶときに
体の中に
どのようなロープがあり、
どのようなひし形があるかを理解すれば、
飛躍的に動きの緻密さや自然さが増していくようです。
このような認識がテンセグリティのモデルをいじりまわしていくと、
発見できるものですから、面白い。
人体は機能的部品が巧妙に組み合わさる機械。
そうつくづく感じます。