ワーカーとクライアントとの身体を見切る力の違い★

(1)ワーカーとクライアントとの身体を見切る力の違い

ワーカーは、身体状況を事細かに分析して、次に何を行うべきかを判断していかなければならない。そのため詳細なボディチェックをしている。

例えば、顔色、脈の強さ、脳脊髄液の流れ、関節の柔軟性、筋肉の硬化度、脊椎の変位の仕方、脚長差、腹部の硬さなどはいうにおよばずで、レポートなどにかけば全身のことゆえに脚部、骨盤周辺、腰部、腹部、背部、胸部、頚部、頭部など別々に調べられて膨大なものとなる。

そうなってくると主だったものに関してはクライアントに説明をしていくが、それ以外のものはワーカーがそのときの状況を判断していく材料に留まる。(ただし身体状況が思わしくないクライアントには、必然的に主だったチェックポイントが増えることにより説明も長引く傾向にある)
また身体を見きる力は、いかに身体を客観視できるかのレベルによる。
一般的に、身体の詳細にわたってまで客観視することができる人は、当然チェックするためのポイントを既知の状況としていなければならないことや微細な筋感覚の動きを見つめることができなければならずほとんどいないです。

恥ずかしながらワーカー同士でワークをし合うときなどにも「えっ!そんなところが硬くなってたの?」とか「へぇぇ〜、私って腰椎が後屈していたんだ!」「げげっ!大腰筋が骨盤の裏側に引っ付いているだなんて!!」という悲鳴が聞こえてきます。。。
いかに身体を自己客観視する事が難しいかという事ですね。

ワーカーの場合は、クライアントの身体状況を客観視することができる。この点がワーカーとクライアントとの大きな違いであり、身体状況を判断するに際して役立ちます。

ちなみにワーカーも人のこで、ときとしてあまりにもひどい背部痛などに襲われたときに、自分自身の身体を客観視することは難しい。普段だったら自分の身体の状況をつぶさに見ていて感じ取る力が養われているのですが、「痛み」を感じたとき冷静さを失う。その状況下では、自己の身体を客観視することはできず、とりあえずしばらく自分の身体の痛みの原因を探る精神的な余裕が生まれるまで待たなければならない。そしてたいていが冷静さを取り戻し客観視できたときには、解消するためにはどのようにすればいいかの最適な判断がついてそのとおりに動きさえすればいい。