書籍紹介: 「声の呼吸法」

米山文明氏とは、多くの芸能人やアーティストをクライアントに持つ声帯障害の専門医です。
東京渋谷に診療所を設け、精力的にご活躍されておられます。
テレビや新聞にそのお顔が映るときもあります。

私が読んだ本は、「声の呼吸法」響きある歌声を生み出し体を楽器にする方法他を多くのイラスト付きで紹介した本ですが、
まさに内容的はボディワーク解説本といってもいいでしょう。
すばらしい体のセンサーを開花させる有益なエクササイズが掲載されています。

姿勢と息と声の関係では次のようなエクササイズが紹介されています。
p90を一部引用させていただきます。

『簡単な実験をしてみましょう。

(1)まず両足を肩幅に開いて立ち、肩から上半身にかけての力を抜き、膝、足首の関節を少しゆるめます。

(2)平常の安静時呼吸を数回繰り返した後、吸気の後の呼気を声にしながらはいてゆきます。母音は何でも結構。声の高さも強さも楽なところで自由に。

(3)声を出きるだけ長い時間かけて出してゆき、最後まで出し切った瞬間に、両腕内側の脇の下をわずかに開きながら同時に体壁(胸、腹、背中の壁)を一瞬ゆるめます。

(4)体壁の緊張が緩んだ瞬間に息が入ってきます。次にまた息を声と一緒に出してゆくと、呼気が自然におこなわれていたことがわかるはずです。』

と、非常にやりやすいエクササイズです。
実際にトライすれば、多くの気づきを与えてくれるクォリティの高さに驚かされます。そして他に掲載されているエクササイズもそう。ぜひ通しでそのエクササイズをおこなってみてくださいね。

頭の中の自分の体のイメージマップが、革命を起こすかもしれません。

声を出す職業をされている教師、声楽家、俳優などの職業の方はぜひお勧めです。
専門的な身体部位の用語が出てきて、一般の方は解説をイメージしにくいかもしれません。
まずはエクササイズをやってみてから説明を読めばわかりやすくなります。

野口体操やセンサリーアウエアネスやフェルデンクライス・メソッドなどを好む方におすすめ。
アレクサンダーテクニークをされている方には、なじみ深いエクササイズもあり。

姿勢と呼吸はきっても切り離せない関係です。
そのことを体験を持って伝えてくれる名著です。

書名:声の呼吸法
副題:美しい響きをつくる
著者:米山文明
出版:平凡社
価格:1800円[税別]