筋肉が緩む過程は、強さの入り口。

合気道を身につけるとき、いくつかの過程があります。

概要を以下に記します。

(1)屈筋のリラックスを体得し、
(2)伸筋の感覚を養成。
(3)伸筋の強化に入る。

通常のスポーツでは(1)に筋肉トレーニングがくるでしょう。
筋力をつけることで運動対応力を伸ばすためです。
ですが合気道では屈筋群のリラックスを先行します。
力をつけるよりも「力を抜くほうが先」です。

屈筋が硬くなれば、身体の全身が緊張し硬直。
同時に身体が浮き上がるような軽いものに化します。(重心があがってくるため)
上腕二頭筋は屈筋のひとつです。
心理的なストレスがあれば本能的に緊張して硬直。
緊張しやすい屈筋を緩める術を体得します。

次のステップで伸筋群の利用感覚をつかみ、伸筋力の習得に移ります。

まずは身体の鎧になるような筋肉を緩めて次に進むのです。
効率よく伸筋を鍛えるためです。

ですがこの伸筋を鍛えるところへ進むまでの前の屈筋のリラックスが難しい!
日常的に緊張状態を強いられる仕事をされていたり、
すでに屈筋の力をまず最初に出して力みながら動く、
という運動パターンを身につけているのでそれを手放すことに一苦労。
そしてすでに屈筋に大きなしこりが出来上がっているとき。
このしこりの筋収縮状態では、意思力で屈筋をリラックスさせようとしても、
しこり化していればすでに意思力の手の届きにくい彼方にある。

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そのような現状を踏まえると、
まずは屈筋の筋肉がリラックスできるよう、
そのしこりを解放していく手助けができればと思いつきます。
そこにボディワークなどで筋膜をリリースする意義を見いだせます。
この合気道を身につける過程に関心があり、
少なからずこのことを意識しながらワークをしています。

そして屈筋のしこりが軽減しリラックスできれば、
新たに伸筋を目覚めさせるきっかけになると思います。
実際屈筋のしこりがなくなってから伸筋を開発するトレーニングを受けると、
めざましい運動能力の向上という成果が上がるのです。
それは合気道の習得に限った話ではなくダンスも他技芸一般も。
実例も多く存在します。

ただ屈筋のリラックスはあくまでも入門に位置します。
その入門過程をクリアして、その先があります!!

僕には想像もつきませんが伸筋力を養成・強化をたゆまずにおこなうと、
神業のような技をごく簡単な力学ですよと言いきることができるのでしょう。