合気道をするときや太極拳をするとき。
または木刀を振り回そうというときも。
それだけでなく道具を使いこなすとき。
体の使い方が「屈筋モード」は、
よくないといわれています。
たとえば腕を使うときです。
かなづちで釘を打ち込むと、
腕に入る力みが強すぎます。
そんな方が打ち付けた釘は、
クニャって、途中で曲がる。
そのときにどのような操作をしているかというと、
大胸筋という胸の前にある筋肉を使っていますし、
三角筋という肩パットが入る部分にも力みがある。
日本人は、ほんとうに今でも器用だから、、、
屈筋を使っていても小手先での発力により独自のかっこいいテクニックを発揮できる。
かなり高度な技術を習得して実力を発揮しているかのうように見せかける人もいます。
それほど優れた才能を持っている人もみうけられるのですが。
でも、実は高度に屈筋モードでスキルフルに操作し続けたら、
体にも技術の伸びにもツケが回ってくるものだと言われています。
下図の左側が腕の屈筋部分を示してあります。
では上図の右側を見てください。
腕の筋肉。
実際は腕の骨に付着点を持つ筋肉はすべて腕の筋肉に属するものですから。
背中側に僧帽筋、広背筋、上腕三頭筋は腕の骨に付着しています。
だからそれらはすべて腕の筋肉なんです。
腕の筋肉といわれると、
本能的に図の左側の屈筋エリアにばかり意識が行くのは、
屈筋の役割が腕をどちらの方向へ向けて動かすかという
繊細な方向ぎめをする役割があるので。
センシティブに感じ取る感覚神経回路がしっかりしてる。
思うように動かすにも操作感が実感できる神経の発達があるほうが意図的に楽に動きます。
すると図の左側の腕の屈筋の筋肉群の存在は実感しやすいのです。
そうなるとおかしなことがでてきます。
気づけば、繊細な動作をするために力みを抜いていたほうがセンシティブな感受性が高い屈筋群を力ませて、
屈筋群の筋力で腕を動かそうとしているというミスを犯しがちです。
屈筋は伸筋に比較すれば非力な存在ですし、
屈筋に力みがくればセンサー力が台無しになります。
繊細な操作力が失われ、
非力な筋肉をいじめるような使い方をすれば、
伸筋パワーの1/10も出ないにもかかわらず極端に疲労が増していく。
ただ、そうしてしまいたくなる理由があります。
図の右側の腕の伸筋の筋肉群は「操作実感が持ちづらい」特徴があるためです。
筋肉がある程度くっきりしている人は、
胸の筋肉の大胸筋はピクピクッ動かせるでしょ?
腕っぷしの力こぶだってぽっこりふくらませるのもできますよね。
じゃ、背中の広背筋をピクピクッって動かしてみてください。
できますか?
かなり難しいでしょ。
では、上腕三頭筋をぽっこりふくらませてみてください。
できますか?
かなり難しいでしょ。
つまり普段使いの一般の方がなさる脳の使い方ではコントロールが難しいというのが「伸筋」なんです。
ただ合気道をなさっておられる方々など。
日々、そんなコントロールが難しい伸筋を使いこなそうと修練するんです。
私も、かつて必死に、しました。
どうやればいいのか、手持ちの資料もあまりない時代でしたから、
ほとんどが試行錯誤で探っていくようなものでした。
だから痛い目にも多数あいました。
ですが少しずつでも前向きに進む。
そんな地道な思いを持って粘り続けることこそ。
その自分自身への語りかける意識があってこそ、
開眼していくようなものだろうと感じています。
そしてそれは楽器などを奏でるときにも、そう。
屈筋に微塵でも力こぶが作られた状態であれば、
「上腕三頭筋」が使われていない証拠です。
一箇所でも過度に屈筋を使えば、
もう、その状態は重心が乱れた死にたいといわれています。
そこは、本当にシビアすぎるほどシビアな課題になります。
ただ、実は救われるところもあります。
たとえばひとつでもしっかりと伸筋の一部を意図的に使いこなすエクササイズをすれば、
他の伸筋群もつられて操作感の感知力が増していくようです。
私の場合は、そうでした。
じゃぁ、どのような伸筋を操作するトレーニングをすればいいのか?
私にはその資料がありませんでしたから、即興で作りました。
伸筋を使っていくやり方のひとつのパターンだと思ってください。
通常は拍手というものは、手のひらでうちますよね。
それを両手の手の甲を打ち付ける感じで、
かるくぱちんっとクラップをしましょう。
手の甲で両手を打つときは伸筋が伸びる。
この動作は、そこを利用したわけですね。
手首に力を入れすぎないように、軽く当てに行くときに動きをつけてしならせます。
上腕三頭筋を伸筋らしく伸ばして使うイメージで、
はじめはやってみるとやりやすいでしょう。
手を胸の前で交差したところから手の甲で拍手しようとするとき、
胸を真ん中から開く感じがするかもしれません。
上腕三頭筋や広背筋の動きや肩甲骨の開閉がわかるでしょう。
伸筋を伸ばして手の甲で拍手。
そこからまた両手で ☓ のクロス状にするときは「手や手首を脱力」して移行しましょう。
この拍手の場合は、通常の拍手では大胸筋の腕の付け根部分が固まる反応がでて呼吸が軽くしづらくなるが、
伸筋の操作の場合は呼吸を阻害する反応は徹底して起きません。
ここが大事なんです。
いつしか手の甲で拍手をする要領を身につけると、
「通常の拍手をするときにも、
手の甲を当てて拍手をしたときに操作した筋肉を使って操作できる」ようになるんです。 ^-^
ここも大事なんです。
だから筋トレをしようというのが目的ではなく、
このような状態を作り出すためのエクササイズだと思ってくださいね。
カンタンな手の甲で打つ拍手ですが、
いろいろと自分なりにやり方を試行錯誤して。
動きのバリエーションを増やしていきましょう。
そうすることも伸筋の操作感を増やすのに役立ちますよ。
また、やり過ぎると手の甲は筋肉の厚みなどがあるような部分じゃないから痛みが出やすい。
性根をいれてやってみようという人は、手袋着用にしていただいたほうがいいでしょう。