背中に手が回りづらくなったと感じたとき。太極拳でおこなわれている手の使い方の巧みさを、参考にしてみませんか?

シャツを脱ぐときに背中の方に手を持っていこうとします。
腕や肩や首になんら問題ないときには、何気ない動作です。

それがひとたび、腕が背中側に持っていくと、
イテテテテッ!と痛みが出てしまうとキツイ。。。
これがまた神経に来るような、
ビリビリ来たり、キーンとなったり、しびれる痛さ。


意外にいま、こんな痛みを感じる人が増えているようです。


基本的には腕の関節等の関節可動域が狭くなっているため、
その可動域を増やすようにすればいいわけです。
ですが実は手足は曲げ伸ばしという動作意外に、
糸をこよるようなねじる動作に長けた部位です。

以下にどのようなねじりをしてらせん形に手足を操作することができるかと、
陳式太極拳という太極拳流派の図譜を持っていてそちらから抜粋させていただきました。

人身纏絲図.png


固定静止点を設けて回転をえがく.png

らせん状に手や足を回転させる要点としてわすれてはならないのは、
中心や任意の点に一点、固定点して静止する点をつくることです。

それは台風が中心に無風状態の目を持つように、
静かな中心を設けられたときに回転力が成立し、
そこに円を描きまわり続ける力の発揮が起こります。

それとにたような操作で手足はらせんを描くようにして使うことができます。
中心に静止固定点を設けずにらせんっぽい操作をした場合、
そこには手の力が伸筋により得ることができずに非力のままですから、
力みがはいって当然という感じでカラダに負担がかかるような誤用です。
すると肩甲骨や腸骨部位に深く付着する筋が負担がかかるため、
せっかくらせんの手や足の操作をしても屈筋主導の手足の関節稼働を制限させる動きに終始してしまうでしょう。
それが行き過ぎれば、手が上がりづらくなるし、手が背中側に届きづらくなるかもしれません。


あまりそんなことを考えて手足を使うことはないぞといわれそうですね。

それにこんなことをしつこく教えてくれる先生も少ないと。
ですが、合気柔術の岡本眞師範のYouTube映像「岡本眞の合気柔術チャンネル」を観ると、
ある程度武道をなさっておられる方々には参考になるでしょう。
たとえば、岡本師範が手をつかまれたときにそういった力を使うようなときが見られます。
実際に技をかけてもらうと、動きには静と動が一体のときに、
チカラの作用が梃子のようになって現れると実体験できるときがあります。


らせんを描く手足の操作は伸筋と屈筋をうまく調和させることになります。
デスクワークが長くなると、屈筋が凝りが進んで伸筋を使う機会が減りますし、
手足の凝りが何度解いてもぬぐえないという方にも、練習をして動きを身につけられるといいかなと思います。