体を触ってみるとき。
ある程度筋肉を緩めていくと骨格筋のしこりは触って解るようになりだす。
だが腹部内奥のしこりは解りにくい。
自分の腹部の硬さをワークをうけるまで
認識したことがなかった方も多い。
見つかったときは驚かれる。
腹部のしこりは下記のような太い腹部内部の動脈静脈を圧迫する。
大動脈・大静脈・内腸骨動脈・
外腸骨動脈・総腸骨動脈・総腸骨静脈・
大腿動脈などの重要な動脈や静脈。
体調に与えるダメージは大きい。
『腹部の血管系』を把握すれば、
腹部にできたしこりの位置で
上記のどの血管を圧迫するか想像できる。
腹部のしこりは骨格筋とは比べ物にならないほど、
解放に注意が必要です。
不用意に圧をかけてしまうことを、
慎重なワーカーはしないでしょう。
内臓をいきなりぐりぐり圧をかけて解くことは、
危険で責任問題に発展しかねません。
『内臓は危険な場所』という認識があります。
ですからできることならばアプローチをしたくない。
極力以下の操作だけで済ませたいと考えています。
内臓部のしこりに影響を与える関連した骨格筋を緩めて、
それにより内臓部のしこりを柔軟なものにする。
それでまかなえればラッキーです。
ですがケースバイケースです。
周囲の骨格筋を解放しただけでは、
内臓部分のしこりが抜けないことも多い。
すでに内臓内部でコラーゲン物質同士の癒着が長期化している。
癒着が組織を一体化させている。
そういう方も少なくありません。
そのときには内臓に関連する骨格筋のリリースだけでは、
焼け石に水のようです。
手をこまねいていても、
内臓は柔らかくなってはくれません。
そのようなときは苦肉の策として、
内臓のマニュピレーションを行います。
内臓の動きをソフトに誇張させて働きをよくする手技です。
事前に内臓周りの筋肉を柔らかくしてからアプローチします。
一見遠回りだが安全性をあげるため、
その下ごしらえをしたうえでの手順を守るべきです。
りリスクを低減のためです。
ちなみにアトピー性皮膚炎の方ならば、
肝臓とみぞおちの交わる箇所やへそ下部分が強い硬化がみられます。
またちょうど腹直筋下全体も硬化傾向があります。
などなど。
症状により腹部のしこりがでる部位が変わります。
(参考:『血液循環療法』の書籍に解りやすいイラストが公開されている)