体重の1/15以上の白い組織が施術のカギ

身体の内側をよく観察する。


これは心の目で自分の身体を内観するという意味ではありません。
解剖学的な見地での実際的な観察をする機会を持つということ。
ビデオでもいいし写真でもいい。
医学専門書を見ればあるだろう。
それを静かな観察眼で見つめる。


するとどうだろう。


一般的な解剖図をみると、
いきなり筋肉がそこにあるとしか思えない図ばかりだ。
だが実際はそうじゃない。


『身体の内側を白く覆うもの』が初めに見えてくる。


筋肉はその白いものを取り除いた後に出てくる。


筋肉図などで観た先入観とは違う印象だろう。


白いものの正体の一部は筋膜という身体の内側を覆うもの。
この白い組織は奥まで入り込み筋肉やあらゆる器官を覆う。
この白い身体全体に及ぶ組織は身体の中の体重の1/15以上。
例えば体重60Kgの人ならば4Kg以上はこの白い組織。


これってものすごい存在感ある組織だっていう事なんです!


だってそうでしょ?


全身に関係するネットワークを持つ組織です。
この白い組織は筋膜、骨膜、靭帯などを指す。
この組織が身体を支えもするしゆがませもする。
筋膜炎という筋肉痛のほとんどの原因ともなる。


その張本人が白い組織なのです。


私たちがよく目にする解剖図は筋肉図や骨格図。
そこに目を奪われすぎてしまうと大切なものを見落としてしまうのです。


この白い組織はコラーゲンでできている。
ゼラチンも動物性コラーゲンですよね。
ゼラチンは硬い板ゼラチンにもなるし、
やわらかいゼリーにもなる。
体内にあるコラーゲン組織が、
まさに板ゼラチンになったり、
ちょうど程よい状態のゼリーになったり。


板ゼラチンとなれば【慢性的な凝り】状態なのですね。


白い組織は身体全体に分布して機能するのだが、
これらは必ず連携して動くよう仕組まれている。


そしてこの白い組織は経絡線をつくりもする。
同調して関連する経絡(筋膜)を動かせば効率的な動きがかなえられる。
経絡線が一連の続いているものとして活躍するならばいいが、
途中で凝り状態があって動きの寸断があれば素晴らしい動きはできない。


それに白い組織が神経の通りや代謝にも影響を与えてしまうんですよね。


だから一端この白い組織の存在に気づきはじめると、
身体の治し方や使い方のイメージが現実に沿いだす。
何をどうすればよいのかポイントが見えてくるんです。