体幹に着く手の関節と足の関節はどこだ?

手の骨が体幹に接している関節はどこ?


その質問に対する解答は『胸鎖関節(胸骨と鎖骨を継げる関節)』からです。
http://web.sc.itc.keio.ac.jp/anatomy/juncturae/A03504001-006.html


肩甲骨が背骨に接しているような錯覚をもつ方もいますが、
肩甲骨は背骨と菱形筋などの筋肉で継がれた関節のない肋骨の上で浮いてるような骨。
だから脊椎という体幹との関節はないんです。


関節がないがゆえに肩甲骨はものすごく器用によく動くことができる。
肩甲骨を脊椎方向に近づけたり遠ざけるなどダイナミックな動きができる。


で腕が体幹の関節に接触している面積は、
極々わずかの数センチほどの胸鎖関節だけ。





では次の問題。
足の骨は体幹とどの関節で結ばれているの?


そう問われての解答には、
『股関節』という方が多いかもしれない。
なんとな〜くそんな感じがしますよね。


足の骨は大腿骨から始まっているという認識ですとその通り。


でもちょっと待ってください。


慎重に考えてみましょう。
脊椎と足部を分けてみよう。


脊椎に属するものを上から見ていくと、
頚椎-胸椎-腰椎-仙椎-尾骨・・・なんですから、
そうすると骨盤部分の腸骨って脊椎に属さない。
そして足にも入れてもらえない。


それでいいのでしょうか?


実は腸骨は足の骨の一部です。
そう考えると、仙椎と腸骨の境目になる関節の仙腸関節
http://web.sc.itc.keio.ac.jp/anatomy/juncturae/A03603001-009.html
ここが足の関節の始まりになります。


だから足を股関節から動かすという認識だけを持っているならば、
そのボディマッピングを書き換えておくようにしましょう。


つまり股関節から足が始まると考えるならば、
股関節-膝関節-足首関節・・・のようだったのが、
仙腸関節-股関節-膝関節-足関節・・・のように足の関節がもう一つ増えたのです。


関節とはなぜあるかとかんがえましょう。


動くときに関節を境にして曲げる動きをするため存在します。
どの関節も関節面の様子はまったくつき方が違います。
それは仙腸関節-股関節-膝関節-足関節などのすべての関節は、
まったく別々の機能性を持ちます。
その機能をそれぞれが発揮しなければ
しなやかな動きや効率的な動きは難しいようです。


足を持ち上げて横に開くというひとつの動きをするのに、
数多くの関連筋が緻密に仙腸関節-股関節-膝関節-足関節をコントロール
関節のピボットを利用して骨をひとつひとつ丁寧に動かします。
それが統合されて本来の体の設計どおりの動きができるのです。


で、ここで重要なのが仙腸関節
この仙腸関節って上記に述べた手の付け根の胸鎖関節とは異なり、
仙骨と腸骨の接している耳状面と呼ばれる部分はものすごく広い。
それは上体を支えて同時に足を持ち上げるという離れ業を、
軽々と成し得るだけの秘密がここの関節にはあるのです。


仙腸関節は過去不動関節と呼ばれていたほど、
あまり動きを感じられないように見える関節部分です。
特に仙腸関節が骨盤周囲の筋肉の激しい硬化で癒着したりすれば、
まったくこの部分の動きを感じ取ることは出来ない。
このようすなら仙腸関節は実質ないも同じ動き方しか出来ません。
そうであるならば大変残念なことです。


ですが実際は数センチレベルでちゃんと動く。
この数センチレベルの動きをどう操作して作り出すか。
仙腸関節がしっかりとゆるんでいて動かせる体を持つと、
初めてこの説明の意味がなるほど〜って自分の体の動きの体感からわかります。
足を使うときの動きの質が変わるんです。
この体感が大切!!!
体感できなきゃ身につかないんですから。


腕の使い方で胸鎖関節から動くというのは比較的楽に体感できますが、
足の使い方を仙腸関節から動くというのは高度な領域となります。


徐々にでもがんばってここまでワークで歩みを進められれば幸です。