筋肉硬結の「点」「線」「面」「立体」の状態差

書籍『図解 経筋学―基礎と臨床』のP30を読んでみる。


すると。。。

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 経筋病巣は,もちろん経筋組織の中に生じるが,
結局,原因・部位・病状の軽重・病気の期間の長短・身体の状態などによって状況が変化する。
 経筋病巣は,病理的には筋結(筋肉の硬結)を起こしている。
その病状は,4つの種類に分けられる。
つまり,病巣点・病巣線・病巣面・立体的病巣(基-16)である。
経穴は一般に陥凹したところにあるが,
経筋病巣はむしろ硬結して硬くなり,
ときには大きく盛り上がっていることとなる。

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と書かれています。
大変興味深い記述ですよね。
「筋膜の癒着」とか「筋肉の硬結」と呼びましても、
「点」「線」「面」「立体」のどの状態かで差があるという。



つまり「筋肉の硬結」にも状態が様々なんです。
病巣点・病巣線・病巣面・立体的病巣というように
点であったり線であったり面であったりそれが立体となったり。



「点」が一番シンプル。


「点」が並びだし「線」となる。


「線」が並び「面」を作る。


「面」が層化して「立体」となる。



つまり「点」→「線」→「面」→「立体」となるに従い、
複雑になり病巣的にも状態が重くなっていくような側面もある。



上述した「筋肉の硬結」の様相により
ワークでその筋肉の病巣の解きやすさ解きにくさが変わってくる。


つまり点や線でしたら比較的リセットは容易だし、
それが体表に近ければよりスムースに対応できる。


面や立体まで育ててしまわれておれば、
点の病巣が寄り集まり面積や立方体を形成しているに至っているわけです。
するといくらその面の病巣を形成している筋肉の硬結をとってもとっても
その奥からまた硬い面が出てくるのです。


そしておそらくのこと
「点」「線」くらいの「筋肉の硬結」ならば
自力で注意深く解放運動のような気功やヨガなどで
積極的に自分の体の筋や腱を伸ばし血行をよくすればよい。
熱き血液の流れは冷えた筋肉の硬結を緩めてくれます。


「面」になっていくと本能的にその部分は強い萎縮があるため、
伸び縮みをさせれば張りが強く痛みが強く出るようになる。
そのためその痛みを無意識にかばいその「面」の運動を避け
その部位の血行が悪くなり「筋肉の硬結」を緩める機会をなくす。
ただメディカルな側面までプログラムされたエクササイズで、
長い時間をかければこの「面」もどうにか対処できるでしょう。


「立体」となるとその周囲の筋膜を牽引して各所に牽引痛を引き起こす。
すでに「立体化」した「筋肉の硬結」は血液が痛覚神経を働かせて
鋭い痛みを体感できるほどの状態ではないことが多い。
炎症があるのに神経が働かず痛くない。
麻酔がかかったような状態。
重くだるくぼーっとした不快感程度です。
するとむしろ「立体化した病巣」の痛みより、
牽引痛のほうが激しい痛みのため緊急性があるよう強く感じられてくる。
ただ牽引痛に対処しても「立体化」した「筋肉の硬結」は治らない。
時期にその「立体」も勢力を伸ばしていく。


痛みが感じられない状態で刻々とというのが嫌なものですが、
そういう性質のもののように感じます。