ぎっくり腰のとき。
どのようなゴールを設定するか。
<条件1>
・現在起きているぎっくり腰の痛みを低減させる
<条件2>
・近い未来に再発するはずのぎっくり腰の発生リスクを低下させる
そのような目的であれば意外に容易に対応できる。
施術で筋骨格に生じている問題点をリセットするならば、
どの部位を緩めていけばよいかの情報は提供されている。
たとえば血液循環療法の治療師編といえるような書籍を読めばいい。
それは市販されている。
誰にだって手に入る。
そちらで指摘されている部位を緩めれば、
ぎっくり腰または広く腰痛を含めて改善する。
それに広く施術の研究をしている施術家ならば、
他の療法でも対応可能であることはわかるはず。
山登りのルートはひとつではなく、
いくつものルートが用意されているものです。
ゴールの設定が、
上記の2つの条件のみならば、
これでいいでしょう。
しかし、
次の条件が入ったらどうでしょうか。
<条件3>
・ぎっくり腰を今後にわたって繰り返さないこと
いったん施術等で筋膜の癒着をリリースして骨格の並びを是正したとする。
だが定期的にぎっくり腰に襲われることが繰り返されてしまうことが多い。
一度ひどい腰痛持ちになったときには一生それがついてまわってしまう。
ぎっくり腰を創りだした起立筋群や大腰筋部の硬化による萎縮が進めば、
該当する椎間板が萎縮しだしてクサビ状に常に変化すれば、
脊椎の滑り症や椎間板ヘルニアなどにステージが移行する。
施術で脊椎を理想状態に近づけても、
それだけでは長続きしないんです。
すぐにはぎっくり腰にはなりづらいでしょう。
でも長い未来ではぎっくり腰が起きてしまう。
脊椎の歪みを創りだすような体の使い方をしている自覚がなくていれば、
気づかぬうちにぎっくり腰を発生させる力学的な負荷の蓄積をしている。
ぎっくり腰になるのも『因果関係』があるのです。
痛みが生じる前にその原因の筋肉部位に負荷を蓄積させている。
そうしないで勝手に痛みが出てしまうようなことはないのです。
ですが意識的に原因の筋肉部位に負荷を掛けているわけでなく、
そのため不可解なぎっくり腰が生じたように「錯覚」をします。
ぎっくり腰になる因果関係を熟知すれ、
ぎっくり腰になろうとはしないのです。