聞く?診断法の「声」にかかる分類チェックについて

中医学の診断では、 お客様の発声を聞くのも情報ゲットのひとつ。

 

それは「聞診(ぶんしん)」といわれるもの。

聞と題されてはいますが、

実は<耳で聞くこと>と<鼻で嗅ぐこと>の二つのジャンルを合わせて「聞診」といいます。

ちょっとこのショートカットのしかたは誤解を生みそうな気がしますが、 こうなったなんらかの理由があるのでしょうね。

 

ひとまず、 電話等で会話をすれば情報を得られるといった <耳で聞くことの聞診>について今回のブログ内容では取り上げていきたいと思います。

 

五行のながれから五音という分別法があるんです。

 

五音 角(かく)・徴(ち)・宮(きゅう)・商(しょう)・羽(う)の五つの音。

「角」が、五臓の「肝臓」に関係して音階で言うと(ミ)となります。<かきくけこ>の牙音で強く鋭い音を放つという特徴があります。

「徴」が、五臓の「心臓」に関係して音階で言うと(ソ)となります。<たちつてと・なにぬねの・らりるれろ>の舌音。

「宮」が、五臓の「脾臓」に関係した音階で言うと(ド)となります。<あいうえお・やいゆえよ・わいうえを>の喉音。

「商」が、五臓の「肺臓」に関係した音階で言うと(レ)となります。<さしすせそ>の歯音。

「羽」が、五臓の「腎臓」に関係した音階で言うと(ラ)となります。<はひふへほ・まみむめも>の唇音で力がこもらない音。

 

 

お客様の音声がどの音階に収まっているのかを耳で聞いて、

五臓のどちらに病体があるのかを判断するんですね。

つまりお客様の話している声を聞いて、 音階で言う(ミ)の高さに聞こえたならば肝臓に狙いをさだめ、 それが<かきくけこ>の音が強いかどうかを同時に聞いて符合するかどうかチェックするということでしょう。

特徴がまったく当てはまらないようであれば、別段そこをさらにつっこんで調べる必要もございません。

 

ただ、音感がいい人じゃないと聞き取れなさそうです。。。

 

 

また別の声の表現に対して、五声という病人が発する特徴を捉えたものがあります。

 

こちらの分類は、発音というよりも言葉を発するときの表現のしかたなのでしょう。

 

五声は 呼(こ)・言(げん)・歌(か)・哭(こく)・呻(しん) の5つ。

 

呼(こ )が、五臓の「肝臓」に関係し、痛みなどの病気の苦痛を訴えるのが特徴。

言(げん)が、五臓の「心臓」に関係し、無口のものでも言葉が多くなるのが特徴。

歌(か )が、五臓の「脾臓」に関係し、歌うように話しかけるのが特徴。

哭(こく)が、五臓の「肺臓」に関係し、泣きやすく、泣き言が多くなる。内向的になるというのが特徴。

呻(しん)が、五臓の「腎臓」に関係し、あくび、唸り声が出るというのが特徴。

 

個人的な感想ですが、 病気になると多くは痛みを訴えてしまいそうですが、、、、特に熱烈に訴えてくるのでしょうね。

それよりも脾臓の歌うように話しかけてくるって、、、 歌うように話すような宝塚のようなドラマ仕立てのお客様はお越しいただいた記憶がありません。

 

いろいろと興味深いチェック法があるんだなと思います。

 

あとは言葉を発するときの音声 これからのところは、なかなか聞いたまんまのような気がしますが、

 

声が大きくてよく話して活動的であれば、   実証・熱証

小声で無力、言葉数が少なくて物静かであれば、虚証・寒証

 

となります。

 

 

以上の流れから自己チェックをしていこうと思います。

私自身はと問えば、 滑舌は全体的に悪いのですが、

「商」が、五臓の「肺臓」に関係した音階で言うと(レ)となります。<さしすせそ>の歯音は特に出しづらいです。

「小声で無力、言葉数が少なくて物静かであれば、虚証・寒証

「哭(こく)が、五臓の「肺臓」に関係し、泣きやすく、泣き言が多くなる。内向的になるというのが特徴」 で、おおよそ間違いないですね。

 

だったら食養生を考えてみて<肺>と<虚証・寒証>を養うようなものを食べていこう!! といった対応をとるといいのでしょう。

 

 

そのように客観的に取られれば、人体内部の問題点もわかるものですが、

 

このままのスタイルで仕事をし続けていくのは危機的状況だと感じます。。。。

聞診は、客観的に自分を見つめるきっかけにもなるものですね。

 

それがもうちょっとみていって

声がでなくて、外感病があれば、       実証

声がでなくて、慢性で反復発作があれば    虚証

 

のように実証・虚証と熱証・寒証を判別していきます。

これぞ、 お客様と会話が続かなければ、 なりたたないチェック法ですね。

また語勢の虚弱でいえば他にも、、、

濁った声ならば、肺気不宣、というものがあります。

 

 

あとは言語を使いこなすときの錯乱の仕方で分類しますと、、、

 

言葉がつかえるならば、風痰上擾。

ひとりごとがたえねば、心気虚 理性が消失したならば、痰火擾心。

思考の乱れがあり同じことを繰り返して話せば、虚証、心悸の大傷、精神錯乱

うわごとがあれば、実証、熱が心神をかき乱す のようなチェックがあります。

 

 

 

あとは、呼吸の様子、咳の様子、気味(体臭。口臭。腋の臭い。大便、小便、帯下)などの臭気のチェックがあります。 こちらは、別のブログの項で概説させていただこうと思います。