やぶからへびをだして、そのへびを杖にまきつけよう。。。

整体学校でいわれたことに、やぶへびをするな!といった言葉が印象的だった。

やぶへびとは、藪に入らなければひっそりとしたままだが、そこに一歩足を踏み込めば、恐いへびがでてくる。だからやぶには入るなということだ。

主訴といわれるお客様が希望するメンテナンス作業に時間を使えということで、
たとえば、右手が腱鞘炎になっているなら、右手の腱鞘炎を引き起こしている筋肉を緩めてあげて、それで施術は終了。
もしも時間が余ったとしても、それ以上は手を出すなと言います。

先ほどまでは耐えがたかった腱鞘炎の痛みの症状が半減すればお客様は感謝してくれて帰っていきます。

そのときに丁寧にお大事になさってくださいと挨拶をしておけば、またいつか困ったことが起きれば来ていただけるということで、
それ以上のことは手出しをしないことが肝要だといってました。

そうしたほうが都合が互いにいいのかもしれません。

お客様は短時間に帰ることができますし、施術者もお客様の回転数を高くすることで収益をあげることができます。


そのような流れになれてしまうと、お客様の訴えてくる内容にはパターンがあって、このときはこのようにと対処の要領がわかってきます。
それを繰り返すことで施術者は対応への自信を深めることができるのです。
その上で顧客対応のさわやかさや笑顔、そしてこまめに連絡をするようなメルマガ発信などが大事だといわれました。

お客様の状態が慢性化が進んでいるわけではないのなら、主訴を改善するだけで十分といえるでしょう。
お客様自身も、いざ、なんどき困ったことがあれば、また気軽にお世話になれるところがあるとうれしいものです。

ただすでに内科系の疾患をお持ちの方などは、慢性化したダメージが体の奥へと沈み込んでいます。
そうなっている方には、皮下の水面下で主訴と感じる痛みや不快のでている場所とは離れたところに、
着々と目に見えていない認知できていない不都合な状態が進行していってるはずです。

つまりやぶからへびをだすなというのは、慢性化した体質が低迷した状態の方をみるときには、
こうした皮下の奥にある水面下の芯の問題とすべきところを揺り動かしてしまうと
そこをよくするには膨大な労力と時間が必要となることがでてきます。
そこについて正直にお客様にお話をして時間をかけさせてもらうという選択もありますが、
そういった芯部の悪化した隠れた主たる害はパターン化されているものではなく、
対処がそれぞれのお客様を深く理解して推理して探っていかなければなりません。
やぶのなかには今まで施術者が観たことがない内科的な問題が潜んでいることもあるため、
いままではお客様から服用している薬を尋ねる必要を感じてなかったが、
それからはこれはその薬の好発する副作用ではないか?などと調べることが他にも膨大になってきます。

そこまでの徹底したことをせずに、中途半端な面倒見の良さを出すのはかえって取り返しのつかないミスを犯す元となります。

経営の都合上の意味合いが大きくかかわるのでやぶからへびをだすなと言っていたのだというのがメインかと思います。
カンペキにそちらの整体の学校の卒業生が講師をしていたので、施術者歴が豊富ではなかったからです。
やぶからへびをつついてだしたことがあるような施術をしたことがあって、そういった難しさを知っていたわけではないはず。



私は、やぶからへびをだすような意図をもって施術をさせていただいております。

それにより苦労はありますが、やぶを外側から眺めるのではみえないものを視て、触れて、感じられました。
やぶからへびを出したことがないならみたことがない意外な気づきや発見を通し、神聖な人間の体のしくみを知ることにつながりました。

そのような施術にお付き合いいただきましたお客様に、いつも深く感謝いたしております。



やぶからへびを出そうとするときにはお客様自身、自分の内側に潜んでいた黒いものを視て感じることにもなります。
人は、そういった隠れたものを視るには恐怖を感じることさえあります。
関心がないわけじゃないけど、見たくない。見るには勇気がいる。

実際問題として、それを身に染みて持ち続けているのは自分であって、
それが自分のものだと気づいた人は、それを手放す準備ができています。

それを手放すための最大の立役者は自分の内側にいるドクターだからです。。
施術者の施術とは、お客様がたまにピットインしてメンテナンス作業を受けて、また走り出すようなレース途中に設営されたメカニックがいるところでしかない。
そのようなメカニックだよりにするよりも、自走中の自分の運転が大事だと気づいている人には、自然治癒力を発動する脳波にスイッチが入りやすくなっている。
するとぴくぴくとやたらに痙攣したり、垢がでて代謝があがったり、他にも様々なデトックスと補益が生活のなかで繰り返し所望し続けて、
そうしたセルフメンテナンスが加速するように位置するのが私のような施術者がしたいと願う他者メンテとしての施術だと理解できている。

そうなったときに、やぶへびでへびがでてきてそれを嫌うのは誤りで、そこにいる蛇を自分なら飼いならすことが工夫次第でできるという眼でモノを考えだせるようになってきます。
へびも牙を持って襲い掛かろうとしている邪悪なものじゃない。

WHOの紋章には蛇がいますが、それは。。。
アスクレピオスの杖(アスクレピオスのつえ、英語: Rod of Asclepius)とは、ギリシア神話に登場する名医アスクレピオス(アスクレーピオス)の持っていた蛇(クスシヘビ)の巻きついた杖。医療・医術の象徴として世界的に広く用いられているシンボルマークである。
そういった医術の象徴としてのへびを巻き付けた杖を手にする者には、やぶのなかに入ってへびを杖に巻き付けてでてきたものみなのだと、私は思っている。

施術者ができるのは、そこにやぶがあると気づかせてへびをみつけることくらいです。
そのへびを飼いならすのは、施術者の仕事じゃない。
そこをセットしたら、あとはお客様にまかせるしかない。
蛇を飼いならしたいと思ったお客様の選択と意志により、その後が開けるものです。



実は、まさにそういったタイプのお客様がおられます。

私自身、なるほど、なるほどと勉強する貴重な機会を得ています。


実際問題として、そこまでへびのほとばしる気にひるまないものは稀有なもので、
人は業もあり、弱気な存在です。
やぶからへびを出すまでしようとした施術者として、
どのような距離感を持ってかかわるべきかという自問自答をすることもでてきます。

ここは私と同業の先生方と話していくと、ほんとうに距離感が近すぎても遠すぎてもダメで、
近く感じてもらえてもしっかり〆るところは〆てという関係を築かなければ長続きはしないといいます。



こちらのブログをお読みいただいてるお客様は、
やぶからへびをだすような施術がいいか、、、
それともそこまでは望まないので気軽にがいいか。

どちらを選びますか?


私もお客様の立場になれば悩みます~。

でも、、私なら自分のことを擁護するようで歯がゆいですが、
やはり、やぶにはいってへびを杖に巻き付けてみたいと思う。
そうするまでの勇気と努力を経て、そうなったときの気分を、あじわう瞬間が訪れてほしい



そんなタイプで考えて施術をしてます。