書籍紹介:『心の治癒力をうまく引きだす』

いつもお世話になっている先生に本を勧めていただきました。
(N先生ありがとうございますm__m)


書名:心の治癒力をうまく引きだす
副題:―病気が回復する力とは何か。
副題:「まあ、いいか」療法はなぜ効くのか。
出版:築地書館 (2004-04-26出版)
著者:黒丸 尊治

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私にこの本を紹介していただいた先生は
心理的なアプローチを実践研究している方です。
この本の副題の「まあ、いいか」という言葉に、
胸の内で感じられたものがあり即買いされたそうです。


本の著者、黒丸 尊治医師は、心療内科
彦根市立病院緩和ケア科部長。


そして肩書が
日本心身医学会指導医。
日本心療内科学会評議員
日本サイコオンコロジー学会常任世話人
日本ホリスティック医学協会理事、同関西支部長。
米国NLP協会公認NLPTMプラクティショナー。


ついつい最後のNLP(神経言語プログラミング)の肩書により、
NLP的ノウハウが紹介してあるのだろうか?
と思いました。
それはそれで役立つものですが、
その期待は良い意味で裏切られました。^^)


本を読み進めるとNLPをご存じの方は、
これはリフレーミングでしょうかとか言葉をだしそうです。
ですがこの本のなかではそんな専門的な言葉は一切出てきません。


患者と黒丸医師の治療のやりとりがあります。
そこにはつらくなるような内容はなく、
ほっと明るくさせてくれます。
医師が見つめているものが、
症状ではなく体でもなく心の奥にあるもうひとりの患者。
その患者とのつきあい方を紹介してくれています。


そして患者とのコミュニケーションで、
患者が自分の話を解ってもらえて信頼してもらえるよう全力を尽くしている。



ときとして患者の症状の訴えと医師の所見は違いう場合がある。
医師は専門的な書物を読み問題を熟知しています。
客観的な立場から患者のことを見ています。
患者のいっていることが医師の考えと違う。
そして「そうではなくて・・・」と医師は説明をする。
すると患者が自分の言うことを医師が認めてくれないと感じる。
そこにストレスを感じる。
そういうことがあるようです。


ですがこの医師は原則的にこちらの価値観を押しつけることはしません。
患者の話を『そうでしょうね』と受け入れる。
そして症状が出たら『今はそれでいいんです。
そんな大変なものを一気に取り去ろうなんてできませんよ』
と症状が出る恐怖心を和らげることに徹してくれる。
するこの医師と患者は信頼関係を結び以後の治療がスムースに運びます。
そして症状が改善していきます。
小さな改善が見られれば
『どうやってそんなによくなったんですか?』と聞く。
自分でよくなった理由を見つけ出せるようになる。
それが狙いです。
そうやって少しずつ自信を無理なく引きだしていく。


すると患者さんが先生に、
「先生と雑談をしていたら治ったようだ」
という。
『患者さん自信が自分の力で治すことができたと思ってもらえた。
その後に僕がいちいち関与しなくてもよくなる』と黒丸医師はいいます。


すばらしいですね。


一生懸命治そうとしていたときには、誰も治らなかった。
だが何もしなくなったらみんな治ってしまった。
患者が自分自身を癒す方法を知っている。


その心の治癒力をうまく引きだせばいい。


本だけではなく実際にどんな雰囲気でお話をされているのか。
間とかイントネーションとかも知りたくなりました。
そして技術以上の黒丸医師の人間性に惹かれます。


きっとこの本を紹介してくれた知人の先生も
同じように感じられていることでしょう。^^)