温熱器で右側の上腹部を緩めて、大きな表層ブロックが消えていったあとに見つけたものとは。。。

腹部の温熱器によるリリースの、追加のご報告 温熱器で前面リリース.jpgベン石温熱器s.jpg

 

丁寧に腹部のリリースをしていくうちに、
予想だにしていなかった状態に気づきました。

これは私の個人的な体の特徴を見つけられてびっくりということで、
ほかの人にも当てはまるということではありません。

ただ私が自分のお腹を腹診として触ってみても、
まったく察知できなかった状態が見つけられたことの驚きです。
まぁ腹診といっても、こちらは本とビデオ程度ですから、あまり当てにならないのです。
ですが一般の方々よりかは相当私の指先は感知能力が高い状態なのです。
よくある数枚重ねたティッシュペーパーの下に髪の毛を置いて指先で凹凸を感じるようなトレーニングとか、
ひとりで繰り返し繰り返しやっていたものでして。

お客様の米粒の1/10ほどの患部の凹凸や、いやな熱感や寒さなど、チリチリ感などを感じ取ることは、
得意なのですが、自分のことは、本当にひいき目で見てしまい、
良くなかったことは見なかったようにしようという本能からか。
自覚的に多少の不調さを腹部で感じていたとしても、
それを手で触って確認しても見つかりませんでした。。。


右側の鳩尾の下にある正中ライン上に靭帯でできた細い線がありますが、
そちらの右側、
つまり肝臓がある方向に向けて腹部表面から4センチほど奥まった部分に大きく育てられたしこりの層を見つけました。
それは大腰筋の上端の付け根部分というわけではなく、
腹直筋が肥大化している様子が見て取ることができる。

そしてもしやその腹直筋の肥大化した変異した筋肉が、
肝臓との癒着関係はあるのかと気になりました。
肝臓部を左手で固定させ、右手で温熱器を用いて右みぞおち部分を動かして、
その両者の組織がどの程度の影響し合っているかを調べてみたところ、
両者の分離性のなさが気になるほど影響しあっていたのです。


これは、まずいです。。。


肝臓の機能として、
血を貯めて、気を乗せて体の血を必要とする各部位にそれを運ぶものですが。
この腹直筋(その上の靭帯部も含む)肥大部位と肝臓が引き合って、
肝臓の臓器の形状を腹直筋方向へ牽引させられて変形させたならば。
あまり詳しいことは書きませんが、
血の巡りだって、気の巡りだって、
理想から遠のいた実情なはずです。

 

温熱器で右側上部腹直筋の肥大したこの部位を繰り返し温熱で緩むよう刺激を加えていくことが、
今の私の出来ることなのかもしれません。

ただしそれだけではリリースが難しい。
その理由は、裏手にある骨などに押し付けて固定し、
その上で熱を加えるならば温熱によるリリースがなされやすいのですが。
この度のような腹部のような部位はすぐ奥に骨があるわけではないため、
なかなかリリースしようとしてもしづらいものです。

このような場合には、患部を挟んだ二点を起点にして押さえつつ、
固定側と動きを与える側を別けて解くきます。
そうするとリリース進度が増していくでしょう。

 

実は私は情けないことに左側胃のある部位に上記のような不調があって、
それにより消化不良が問題かと考えていたのですが、
実際に腹部リリースを繰り返していくと別の様相が見える化されました。

 

温熱器でリリースを繰り返すうちにしこり化した腹直部の靭帯の下から、
こんなようなものが現れ出てくるなんて。。。
個人的には想像していませんでした。

 

私はボディワイズでの仕事のメインが骨格筋部位の筋膜の癒着をリリースして、
そこで滞らされている血流やリンパの流れを改善させて体質状態をよくするというのが仕事だと考えていました。

そのため腹部のリリースをするときのメインは、
腹部の奥に位置する「大腰筋」が固くなっていれば、
そちらを慎重かつしっかりと解いていくという感じでした。


今回も、要領は以前の硬化した腹直筋を緩めていくというものです。
それは変わりません。
そこの一点に独自の解き方の研究に時間や労力を絞ったことにより、
他との差別化もできて、
私のところまでお客様が足を運んでいただく理由を持つことができたのです。


ですが、この度、母の腹部の奥の状態が私にはまったく見抜けてなかったという反省を元にすると、
中医学で言うところの、病気の元となる邪の位置を考えれば、
皮膚や骨格筋の表層にあるような病邪は「表証」といいまだ状態が皮膚近くの浅い部分で軽いものといいます。
ですが、その急性期のような状態をすぎると、
奥まった位置へと病邪は入り込んでくるといいます。
それを病邪が深まった位置に移行したという「裏証(りしょう)」にあるという状態に進んでいきます。

そしてこの裏証の最たる深さの位置と言えば、
五臓六腑という臓器まで病邪が入り込んでしまう状態です。


私が脈診講座で先生に「鈴木君。あんたは『裏証の沈だね』」と脈をとられて言われたのは、
おそらくこの右部分の肝臓かそれを通り越した横隔膜部分に牽引力を与えて位置をずらせるだけの力のある腹直筋部分のしこりがあったから。
その影響も馬鹿にならないという状態を見て取ることができました。

その部分を緩めていかなければ、
お薬などをいただいても、
その肝臓にそれ自体に余計な牽引力で肝臓が歪ませられて
機能発揮が制限されていた状態は改善はしにくいものかと思われます。

ただ、他動的に手技で内臓マニュピレーションをつかい肝臓を緩めるという手もあるのですが、
それはどちらかのオステオパスの先生にしていただくしかなく、
自分で自分におこなうことはできませんので。

それが自分でも温熱器である程度は緩ませられるというのなら、
すばらしいスグレモノのように感じました。

ただ、この温熱器は立体的な人体を捉えようとするときには、
ひとつの温熱器で一点を圧して緩めるには不十分な場合があります。
二つの点で動きを与えるようにしたリリース法では、
平面であれば固定点はベン石のかっさで間に合わせられそうですが、
立体的な人体の胴回りなどではそうもいきません。
ベン石のかっさでは押さえて固定するというような形状の作りではないため、
押さえが弱く単純な一点に向けてだけの庄になってしまいます。

その一点のみの圧は、人体は容易にその圧を防御しようとする皮膚抵抗でバリアをはるので、
なかなか奥まった部位に刺激を送り込みづらいときがあるのです。

そのときには温熱器を2つ用意して二点の圧を加えることで、
対処できるのだろうと思います。

その両サイドから挟み込んで力の加わった部分のエネルギーを共振させることで、
リリースの深まりも進むようになっております。

体の中の気の滞りがあるしこり部分とは、
エネルギーの値が高く流れのあるものに挟まれると、
そのしこりのブロックが外れて突破できるという場合があるのですよね。

つまり内臓部分には、骨格筋ほど圧をかけられても自己防衛力で問題はないし回復力もあるというものではないので、
あまり強すぎる刺激を加えようとすると危険なので。
そういったところは熱エネルギーという圧とは別のエネルギーで挟み込むというやり方で
ブロックを解除して気の流れを正常化させることで、
その部位に関わる内臓やそれの周囲に位置する筋緊張を緩めるようにしたほうが安全です。

 

 

結局、もうひとつ温灸器を買わないとなりませんね。
ベン石の下準備はこれで当分は十分でしょう。
ここ数日中に注文をしようと考えています。


これで右上腹部を腎臓側と腹部前側で挟み込んで、
患部へ意識を当てながら動きを少し加えて動きの変化や状態をみることで
リリースのしやすいほころびが出やすい部分を見つけることができるはず。


そうすることで、
どうにか私の今回の課題は改善へと向かうのでしょうか。

研究の意味も込めて、やっていきたいと思います。

 

 


私自身がセルフメンテナンスに使って、
それで自分でそのよさを体験したときには、
自信をもってお客様にもすすめられるでしょう。


「これ、高いけどなかなかいいセルフメンテグッズだからね」と。 ^-^)

 
このような温熱器の可能性について、
私はあまり考えたことがありませんでした。
ですがこれだけ使えるんだったらもっと多くの人が興味を持っていただければ、
すばらしいことになるんだろうなと感じてやみません。


ただ・・・温熱器の施術の取り入れはどうすべきか、
そこがいろいろとネックがあって今だに迷うところです。