腹部内で大きな筋肉の影響を受けるというと、
腹部の表面にある腹直筋や腹横筋、腹斜筋など表面上で目に見えるものもある。
だが腹部内臓を通り越した位置にある大腰筋の状態に健康状態は左右されます。
内臓のその先にある大腰筋は、
いったん硬くなればいくつもの不具合が出てきます。
・その周囲の内臓の位置をずらしたり内臓を圧迫したり、
・腰椎の湾曲を強いて背中の椎骨の位置をずらして姿勢を乱し、
・目をつぶって歩けば大腰筋が短いほうに曲がっていくような状態になります。
・それに大腰筋が硬化が強ければ大腿直筋を使った姿勢維持や歩き方になり、骨盤の傾斜が生じていきます。
・鼠径部の鼠径靭帯をふさぐようにして鼠径靭帯下の状態を悪化させます。
・鼠径靭帯下の静脈や動脈を圧迫して血流を停滞させることによる足の冷えや脚部静脈瘤を作りやすくしたり、
・鼠径靭帯下の脚部から鼠径リンパ節に流れるリンパ管を圧迫してリンパを脚にとどめたり、
・大腰筋の上端に相当する部位の関連に、横隔靭帯に付着影響することで、
大腰筋が委縮してその上端の位置を下降させられれば腹式呼吸は抑制されてしまいます。
その場合、呼吸は浅くなり肩を持ち上げておこなう虚状の呼吸をすることがメインになる。
大腰筋は脊椎の姿勢を正しくさせる維持にかかわります。
大腰筋が過緊張していて縮み委縮していたり、
逆に過剰にパンプアップして左右差が大きく生まれます。
それにより腰椎部分で椎骨をずらして側屈や前屈・背屈などを引き起こしますし、
同時にそれは骨盤に対して大きな影響を与えてずれを生じさせることとなります。
・・・それに、個人的課題として、
以前以上に内科的な問題を、いま、私は考慮したいと考えていまして。
内科的な問題は大腰筋部分の硬さばかりから来るものではありませんが、
大腰筋は腎臓に関係する臓器で、中医学でいえば精をつかさどるところ。
病気がなおるかどうかも、精気が充実していれば良好になりやすいので、
生体的にはそこからの立て直しは必須ではないかと考えています。
そのようなことがあって、
私の施術では必ず大腰筋の状態をチェックして、
左右差がないか、
柔軟性はあるか、
冷えてはないか、
前弯に加担していないか、
他、、、等々みていき修正を加えていきます。
施術をさせていただくとき、
以前は背中側からリリースをしていました。
骨盤の臀部筋群からリリースしていましたが、
今は体の前面からリリースをしています。
そこはまだ改良の余地がある手探りなのですが、
脊柱起立筋群を玄武岩の大き目なサイズのものを利用して温めています。
それは前面の腕、胸、頚部、頭部などの筋群をリリースするときに、
十分に腰部の起立筋群を温めておく。
時には腹部にも玄武岩のホットストーンを置かせていただいて、
後の腹部を解くときのリリースがしやすくなるよう下準備をしています。
すると腹部の表面にある筋群がだいぶ緩んだ状態に仕上がっていまして、
それから腹部奥の大腰筋を観ていくようにしています。
そのほうが、より大腰筋のディテールが以前以上にはっきりと手に伝わるからです。
腹部大腰筋の見え方が、以前の数倍にもなったかのように感じていますので、
それによりお客様ごとの大腰筋の傾向性が改めて正確に把握できた次第です。
そのうえでの大腰筋のリリースでは、状況が正確に把握できただけ、
そこにブラックボックス状のグレーなところも減少してくれたため、
だいぶその場を解くときに私も安心感が増したというところでもあります。
もちろんお客様の大腰筋の状態の改善は、
ホットストーンで背中とお腹を事前に温めて私がよく状態を把握できるようになった分、
硬化部のリリースをさらに精密にすることができるようになりました。
ただ一昨日前のラストの臨時受付の施術にて、
お客様の腹部側の筋群が私の現時点での技量では対応が及ばず、
大腰筋の状態を軽く触れることもできなかったのです。。。
お腹側から軽く触れることができれば、
背中側を同時に触ったり目視することで、
私の脳内でお客様の大腰筋をある程度立体化して描くことはできます。
鼠径部の位置、前側肋骨の肋軟骨の下端、腰椎の反り状態・詰まり状態、等々を把握して、
3次元的にそこにあるだろう大腰筋を観ていくことも。
それを目指していろいろとベン石温熱器で鼠径部をより深めに緩めたり、肋軟骨下端を解いたり、
それにすでに首前や胸郭前面はかなり緩めた後ですからそれでも腹直筋部分の張りが落ちている状態に仕上げたのですが。。。
その時点で、いまだ私のベン石温熱器を使ったやり方の対応力は十分ではなかったことを痛感しました。
もちろんですがこれはお客様になんらかの問題があるわけではありません。
私が{もっと工夫して頑張りましょう}という課題を提示してくれたのです。
この時期に与えてくれた課題として、最良のものだと感じます。
それから改めてこちらのお客様用の対処法を考えてみました。
いくつか試みるべき改良点は見つけたものの、
実際に高い成果が上がるかどうかといえばネガティブです。
ベン石温熱器の力を強めることでの対応が、とりあえずは最良だろうと思いました。
腹部のリリースは、しこりがあっても押し付けて固定しリリースするための骨がありません。
腹部の奥は小腸や大腸で柔らかさがあるため押し付けても、
腹部の表面や表層裏の筋肉に圧をかけても圧が逃げてしまうためリリースの効きが悪いのです。
現状のベン石温熱器の丸型・角型では、
腹直筋・腹横筋や腹斜筋その他の筋群の硬化と張りが強くて、
お腹の上部にあててもはじかれて滑ってしまう状態なのです。
さらに表面の筋をしっかりつかみ取る力作用がなければ対抗できていないのだと思いました。
そう考えて、
昨日、あらたなベン石温熱器を中国の業者に注文いたしました。
下写真のようにベン石温熱器のヘッド部分が凸としている突起がついているものです。
昨日の注文ですから、実際に私の手元に届くまでは時間がかかります。
実際に手にして試してみなければ、表層筋のとらえがどうであるかはわかりませんが、
予想として4~5倍は表層部の筋を捉えてくれるようであればと。
そのようにものすごい希望的観測をしているところです。
個人的にはこのかっさ的な当たりが強くなる系のベン石温熱器は、
私には必要ないと考えていたため機材の購入リストから除外していました。
今まではホットストーンといってもなにがなんだかさっぱりわからなくて。
余分だったり余計だったりしても、
勉強のためどんどん購入して手でそれを触って体験知を上げてきましたが。
現状はホットストーンを使っておこなう施術のアウトラインが見えたので
{本当に必要に迫られたもののみ購入}という時期になってきました。
ベン石温熱器も高額なものの購入となりますので、
私の予算には限りがありますが、
この凸型ベン石温熱器は、絶対にいま、試してみるしかないと思いました。