喉のしこり部分を解こうとして、強く押さないようにという理由とは?

喉のしこり部分を解こうとして、
強く押さないようにという理由。

医療関係者ならばご存知ですが、
一般の方には知られていない場合があるのですが、

喉の前側の筋肉は背中側の首の筋肉群と比較すれば、
非常に薄くてデリケートな筋肉だからということ。

そして喉の筋肉のすぐ裏には
頚部の重要極まりない動脈や静脈、その血管のあいだには神経。
そのあたりにはリンパ管。
そしてその奥には甲状腺、気管支、食道がある。

一応のことイラスト化してみたが、
絵で表現するのが難しくて。
少しでもイメージがつかめたら幸いです。


女性喉断面.png

 

喉の前側の筋肉群は、
胸鎖乳突筋や斜角筋やそれより深いさらに細くなり硬くなると石のような硬さにまでなる筋肉がその他複数存在しています。
その喉の筋肉も時として異常な硬さをしめすこともあります。

それに気づいて喉の筋肉の凝りを解いてくにも、
それはかなりの技術がいるものなのです。

なぜかというと、自身の首の筋肉の固まった部分を解こうと押しているつもりが、
喉の血管系や神経をぐいぐい強く圧していたり、
甲状腺や気管支に強圧してしまうことになりかねないのです。
たとえば血管や神経が周囲の筋肉と癒着が進んでいて、
自分では筋肉の硬い部分を押しているだけに思えていたら、
実は筋肉に癒着した血管が傷つけられるようなこととなり、
えらいきびしい炎症を起こしたりすることもありますので。

私は血管が走行していない部分を見つけ出して解くようにしていて、
そのようなダメージをあたえるリスクを減らすようにしていますが、
一般の方にはそれは難しいのかもしれません。

 

以下に喉の前側にある筋肉群を取り除いた奥にある組織の絵を記しておきます。

※ 喉前の筋肉群の詳細を描いたほうがいいかと思いますが、   

  血管や神経や甲状腺や気管支などを傷つけてほしくないので。

 

※ 喉前の詳しい筋肉群は一般書レベルの解剖学の本に描かれているものはないようですから、   

  プロメテウス解剖学書等の専門書をあたるか、   

  ヒューマン・アナトミー・アトラスなどの解剖学アプリで確認するのもよいでしょう。

 

女性喉解剖png.png


というようなことで
首の前側は、深刻な命に係わるダメージを負う組織が、
ほんのすぐ裏に位置しているから筋肉をゴリゴリと無茶な押し方をすると、
真剣に危険なゾーンなのです。

それもあってホットストーンでのリリースを思いつかなかった私には、
その部位のしこをがあるとわかっていても、
お客様のお体を深く傷つける事故に巻き込む可能性があったため、
手を出したくても出せなかった。
必死に解き方を研究してきたが、思うような成果が出せなかったところでしたから。

 

ただ、、、私自身もデスクワークや施術の際にどうしても前傾してしまって、、、
首前の、そしてそれも喉の奥の筋肉群に骨化しているものを見つけています。
それもあって、困ったなぁ、と他人事ではない研究課題となっているのですが。 ^-^;

自分のこの部位を少しずつ解いていくことで、
やっぱりこの部位が解き進められることで体が快適になってきて、
声の出方や気持ちのネガティブな部分の減少などもおきてきます。

いろいろといいところがあると実感。
ただ、気管支のすぐわきを通る骨化した筋に、
今一つ、触るのが怖くて、怖くて。
自分では手が出せなくて、正直、非常に困っています。

 

 


そのようなこともあって、研究真っただ中のところ。


私が通わせていただいている歯医者さん。
歯科助手の方々、皆様、明るくいつでも話しかけてくれて、
患者様たちの気持ちをほっこりとなごませてくれるのです。

その歯医者さんに一昨日前にいったとき。

歯科助手さんから、
「整体屋さんは、自分の体で解けないところってないんですか?」と、
素朴なキラークエスチョンを投げかけていただきました。

 


そのときにすかさず、
胸骨甲状筋・舌骨筋群の硬さを自分でどうやって解けばいいかを考えていたため、
「やっぱり、喉の奥が解けないんですよね~。歯医者さんも職業柄、喉の奥にしこりをつけると思いますが・・・
 最近、ホットストーンを使って解く試みをしているんです!」

というところへ話が行き、
肩こりや腰痛などの一般的な解きづらいところとは違った切り口で答えを返されて、
びっくりなさったかもしれません。
ホットストーンで、喉の筋肉のしこりを解くって???
と、どんな解き方をしているかは、想像ができないでしょう。

私も、あまり通常の整体屋さんで喉の甲状筋群や舌骨筋群を狙って解くにはどうするかを考えていますといわれたら、
「? な、なんですか?それ」と、一年前だったらなっていたはずです。

ただその歯科助手さんのご親族様が喉の病気にかかっておられて幾度か手術をなさって、
いまは薬の服用もしなくてよくなったんだけど、大変だったんですという話になり。
私のその喉の病気にはどうやって整体で効果的な改善策を打てるか悩んでいるもので、
「やはり最新の医療技術はすごいですよね!」というところへ話がいきました。

本当にこちらの歯医者さんにお勤めなさっておられる歯科助手さんたちは、
気さくに患者さんと話をなさられていて。
歯医者さんの技術レベルも高く、
歯科助手さんたちのフレンドリーさ。
集客力や患者様の固定率など最強だなと。
ただものじゃなさに、いつも感心しています。


すいません、脱線してしまいました。 m__m;

 

とにかく新たなホットストーンという施術用のツールによって、
いままでリリースができなかった部分がアプローチできるようになったのはありがたいところです。
ただ頚部の解剖学的な知識は非常に専門的なものとなり、
まだ十分な力がついていないため、頚部の資料集めをしているところです。

その資料集めのために、
新たに「プロメテウス解剖学アトラス/頚部/胸部/腹部・骨盤部」を買いました。
高額な本なので中古本の購入になりましたが、、、 ^-^;

頚部の断層イラストを縦に並べて複数枚描かれているのは、
私がみつけた解剖学の本ではこちらだけだったので。
やはり専門書のディテールの描かれ方はすばらしく、
ブラックボックス化していたところの情報を埋められるところもでてきています。
もし、同業者の方で頚部のアプローチを考えている方には、
この本はとても参考になるんじゃないでしょうか?

 

 

ただ新たに今まで技術上の問題でアプローチできなかった部分がアプローチできるようになると、
いままでその部分のアプローチが不十分で申し訳ないことをしたお客様の顔を思い出しています。

その技術をもっと早く思いついて今していることを、
あのお客様にやって差し上げられていたならば、、、
という大変に申し訳ない気持ちになります。

そう感じざるを得ない象徴的なその技術を必要としていたお客様が、
何名も思い当たりお顔が浮かんできます。

なんらかの形で新たに得られた技術を使い、
少しでもそのときの私の不手際を謝ることができる機会をあたえていただければと願っております。