痛みのわかるリミットを越えて、無痛化する理由-2

本人はもちろん後者の悪しきパターンであってほしくないですし、
痛みが治まった時点で不安が解消されるからあまり心配しなくなります。

ですが後者のパターンの場合、次の反応が出ることがよくあります。
炎症を起こした負担がかかり続けた箇所の痛みが消えたと同時か時期をずらして、
ほかの箇所が痛み始めるのです。
それは炎症箇所が麻痺するほど使われていたのですが、
その部分が強く硬化して機能が制限され使いづらくなります。
その補完のため体の左右前後などの対称箇所が酷使されます。
まだ元気なところを使ってどうにかこうにか使いづらいところをカバーしよう、
というものです。

するとあたかも補完作用で発生した痛みの箇所が、
痛みの根本のように感じられます。
ですがワークを行いワーカーが体の状態を深く読むにつれて、
補完作用で炎症を「もちはじめた」箇所であることを理解します。
そしてより強い炎症箇所を見つけ出します。
そしていいます。
「こちらのほうが、状態悪いんですよ」と。

するとつい最近、その補完作用が出ている方は、
「確かに先日まで言われているところが痛かったんですが、
その痛みの峠は越えたんですが・・・」
とおっしゃられます。

ただずっと以前にこの峠を越えられた方は、
そのことを覚えておられないことがあります。
補完作用で炎症を持っている箇所は、
まだはじめに炎症を持った箇所よりはやわらかいのです。
補完作用による炎症部分は、比較的スムースに痛みが引けるほうです。
ですがはじめに起こった炎症部分は簡単にリリースできる状態を逸しています。

もちろんこりこりっ、と刺激をされると自分でもその箇所が
えらく硬く固まっていることを認識でき驚かれます。
そして同時に、その箇所が徐々に解放されてきて、
知覚神経が働きだすと炎症麻痺が治まりだします。
つまりかつて感じた痛みが感じられだします。

ですがここまでリリースできて、
初めて体内の筋膜のよじれや引きつれが取れて、
正常化しだすものなのです。