キレイと美しいの違い

武道には『型稽古』という、稽古の仕方があります。
武芸では、
「型は美しく、技は心で」といいます。

その域は、武芸という人を魅了して喜ばせる、隙のないものです。
”芸”なのです。

技の型は、自然の美で作られています。
自然の美しさと人工的なキレイとは異なります。
人工的に作られたものでも、
そのなかに自然の美しさが、
要素として最大限活かされています。

人工的なものも、人間という自然の産物から生まれました。
だから遠いものであるとは思いません。
ですが自然の美しさが染み入っていて、
大自然の美しさを見たときのように、
人を引き込むものかどうか。
厳然として違いが出てくる。

化粧をしてキレイになるのではなく、
そのままの存在で美しいというもの。

沖縄の透き通る海、広がる青空。
そんな見開き写真を観たときすごい感動した覚えがあります。
キレイに飾る必要はない存在です。

美しい存在であるためにはどのような表現に型が至るか。

極めれば、
ボディワークのテクニックも美しい『型』へいたるでしょう。
観ていて隙がなく美しい技。
演舞のように見ていて魅了される技。

野口整体創始者は、
その型ができておられたそうです。

「キレイに着飾る前に、
美しくあることを型に求めたいです。」

武芸の貴重な型のビデオは出版されています。
残念ながらボディワーク関係のビデオでは、
私の知る限りですが記憶にありません。
すばらしい芸の域に至ったワークの型が記録された作品。
そのようなビデオが出版されればボディワークへの評価は向上し、
受け入れられやすくなると思います。
魅せられる動きや姿勢から生まれる、
そういうものであってほしい。

「型は美しく、技は心で」
ワークを受けるお客様に伝わるはず。

  • -

体の美しさも、「キレイ」と「美しい」の違いがあります。
美しさが先行すべきでしょう。

「からだの中からケアしておかないと元気にも奇麗にもなれない」
というボディワイズのキャッチフレーズもそこからきています。