『音読』をすることって、
ありますか?
小学生のときに、
授業で立たされていらいの方もおられるかもしれません。
音読をすることにより、
脳の機能が向上し、
感性が豊かになるというデータがあるそうです。
私は昔、場末の俳優養成所に通っていたことがあります。
そこで台詞を読むことからはじまり、
演じるまでを教えていただきました。
教えていただいたのは俳優座上がりの先生です。
ですからTV向きというよりも、
舞台向きの台詞回し。
本を読み上げるときに、
声はある程度澄んで出すことができるのですが、
途中で息が上がってしまいます。
諸先輩をみるとうまい人がいて感心して眺めていました。
そんなときに先生が口癖でいっていたアドバイスが、
『空気を吸うのはタダ!もっと空気を吸って』。
確かに言われてみると空気を吸わずに声をだそうとしていました。
なるほどね〜。
呼吸の間合いがつかめるようになるまでは、
とりあえず空気を吸うことに注目しよう。
そんなときに発見したのが、
空気を吸うときって吸おうとすると、
胸の上部にだけ「ごぉぉっ」と空気が入り、
腹に入りません。
吸おうとせずに、
息を吐ききったら下腹部の緊張をゆるめる、
それだけのときのほうがよい仕上がりでした。
息を吸おうと努力する緊張がなく、
下腹部の力を抜こうという弛緩が入る。
そうすると読み上げるときの『間』が、
少しだけつかめたような気がします。
永続して繰り返す運動には、
かならず「緊張と弛緩」が交互に入ります。
呼吸でいえば息を吐くときが緊張で吸うときが弛緩です。
息を吐くときに肩の力が抜けて弛緩といえなくもありませんが、
そのときには呼吸筋群は緊張して力が入り働いているのです。
ですのでちょっと違和感があるかもしれませんが、
呼吸筋群について捉えればこうなります。
当時のことを思い出しながら、
図書館で借りてきた『遠野物語』などを音読しています。
うまく読もうとする必要もないので、
自由に気分よく読むというのが目標。
音読したものをMP3にして、
暇なときに聞いています。
テキストをワープロ打ちする作業ばかりのとき、
感性が鈍り始める感じがあります。
その対処方法として気に入っています。