横になって動くトレーニング---1

体を不安定な倒れる力をもつ「立つ」という中に、
倒れる力や位置エネルギーなどのパワーを秘めている。
自己の重心を制御して「倒れの力」を引き出すことで、
一部の筋力に頼らない全体の筋が連動する動きが容易にできる。
だからこれができるのが最終目的。

ですが日本では立ち方のトレーニングを「立禅」といい、
中国では站椿功(たんとうこう)といいます。
立つこと自体が修練です。

これは直立姿勢での立ち方の練習ではありません。
肘関節や股関節・膝関節などを多少曲げゆるめた姿勢です。
これはよりよい位置へと関節を収める繊細な動きを感じ取れるようにする、
関節が曲がればそれだけ筋肉と骨の協調性を試されます。
シンプルに直立するよりも型が大きく崩れて感じられます。
概要からもそう観えるでしょう。
この立禅や站椿功をすることにより、
最終的に『高貴な立位仏像のような姿勢』に近づく。

上野の博物館めぐりをするときに木彫りの大きな仏像を観察します。
そういう目で木彫りの仏像を射るような目で観察するのが好きです。
もともと仏像は安定悪く作られていると倒れますから、
構造力学的にもいい指針を示しているものです。
立ち方研究の参考になります。

『自我なく立ち続ける立像』。
私の胸のうちで何かを象徴しているような気がします。

立つ私なりの理想像はそういうものではないかと考えています。

      • -

だが立ち方のトレーニングをする真の難しさを知れば、
かなり道のりが先にあり、
立てなければ何も手付かずになるんじゃ・・・。
というご心配が浮かびますよね。

「体を立てるということは不安定な状態になる」こと。
不安定な状態だからこそ、
安定を求めて四苦八苦する。
(※ ここでいう立ち方は数重もの注意点をクリアしたものを意味します)
(ほとんどの方は、「何を言っているのだろうか?」という反応です。)
(ボディワイズで立ち方を伝えられた方にはその難しさがわかるはず。)

それでははじめから横になって安定すればいいのでは?

      • -