横になって動くトレーニング---2

うまく立てる感覚がもてないとき。

断然トレーニング効果が上がるのが
『横になって動くトレーニング』です。

体を地面に横たえた姿勢で、
頭部・背部(腰部)・仙骨部を常に正しい位置をキープ。
この状態で望みの動きをトレーニングしていきます。

このときのトレーニングの質はいい。
脊髄神経を緊張させない動きが可能です。
立位で常にこのキープをできているものは達人です。

脊髄神経を緊張させすぎた動きは呼吸が浅くなり、
全身の関節が硬直していく。
つまり頭部・背部・仙部が連携している動きができていれば、
椎間板のクッション力が引き出せて椎間板のちょっと上の脊髄神経が
出入りする穴を確保できる。
自律神経系にも関係しますが、
もちろんこれは運動神経系にも影響しています。

運動や感覚情報量が削られて大脳辺縁系で削られたデータを補完予測してはNG。
ということです。
この状態で質のよい動きを求めようとすることは、
闇夜で懐中電灯一つ持たされて風景画をかくようなものです。
この点が『センス』とか『選択眼』にもつながるのでしょう。

脊髄神経が緩まない状態でトレーニングしては、
関節がはまっているかどうかさえもわからない。
動きの質が低下するのは否めません。
腰部を固めて動けば内臓が柔らかさを保てない。
これでは重心取りができません。

脊髄神経が緩んで動けていればメリットが生まれてきます。
神経は電気信号のやり取りです。
そのデータの受け渡しが潤沢に行える情報に満ちた状態で動くのです。
これが運動パターンを改善するために大切です。
動きへの注意力が増えていきます。
「こうしたほうがいいのでは?」
というような気づくことが多くなります。

自分の中での気づきの量と、
体の使い方の新しいプログラムを受け入れる度合いは比例します。
この気づきこそが『内なるあなたの師匠』です。

どんなにすばらしい運動理論があったとしても、
その理論の重要性を肌で感じて取り入れる気づきがなければ役立ちません。
最終的に貴方の中にいる内なる師匠が教えてくれたことしか受け取りません。
そういうものだと思います。

動きについての、
出発点は人それぞれです。
そして目的地も人それぞれです。