肘から毛が生えてくる話

本日ワークで。


アロママッサージをしているお客様。
数日前に突然左腰部の腰痛がひどくて
お客様の予約をキャンセルさせていただいたといいます。
ワーカー側の予約キャンセルは信用にかかわることですから、
よほどのことなんです。


調べてみると腰椎2〜4までが左側に大きく歪みをつくっていました。


ただ私がそのお客様の顔色をみると、
あまり不安な様子はありません。
そして気になったこと。
下顎が奥に引っ込む様子の大きさが強い。
私とお客様は4年来のお知り合いでもある関係です。
だからよくその方のコンディションを理解しています。


本人は私は以前からこんな感じだったのよといわれます。
でも私はこれもある意味大切なヒントが隠されていると感じました。


ワークをしていきます。
すると筋肉のコンディションが二極化していました。
あるところでは硬化している。
そして他はとてもしなやかで柔軟性に富んでいる。
このような筋肉の二極化が起きると歪みが大きく表現されるのです。


本人は身体全体が不調で危機感を感じ取ったから、
自分のクライアントの予約をキャンセルしてまでして休養をとったのです。
だから『ずいぶん使い方の要点がわかってきましたね』と私が言うと、
始めは何を言われているかよく分からない様子でした。


でも本当に私はそう感じました。


以前は身体に鎧化した筋肉の表面から深部までに至る強直した筋肉を付けていました。
それが今は肩甲骨裏側や脚部などにも必要なところにちゃんと筋肉が付いている。
ただその筋肉のつき方が、
まだまだ軸足側の右側の筋肉を2倍ほど強く使っている。
それによりパワフルな筋肉を強固に片側だけ鍛え過ぎて、
身体が捻転してきている。
腰部がその捻転を一番強く影響を与えられた場所となってしまった。
それにより腰椎が見事に3cmほども出っ張るほどゆがんだのです。


結果的にその腰部の歪みは脚部と臀部を深くリリースしただけで、
まっすぐになりました。
本人もこれにはびっくりされていました。

      • -


以前はどこの部分の筋肉を使えばいいのかが、
まだ身体レベルで理解が及んでいませんでした。
ですがそれが今回は明らかに理解している使い方。
その進歩を身体を触れることで感じ取ることができ、
最高に嬉しくなりました。


ただ今回のお身体の状態を見ると、
仕事がきつすぎて身体に負担が蓄積していることは明らかです。



彼女はお客様の筋肉をリリースするときに、
主に指先を利用するとのことです。
それを肘で代用することで、
身体に蓄積される負担が半減するだろうと提案しました。


それから関根をモデルにして、
肘で圧をかけるノウハウを伝えました。
私も自分でいろいろ考えながら肘の使い方を編み出した口です。
だからかなり個性的なやり方なんですが、
効率的に解放するという目的を明確に考えながら研究しています。
『これは研究のやりがいがある』とおっしゃっていただけました。^-^)


ただ見よう見まねで肘を目的の部分にあてがって押すのでは、
押された側は痛くてしょうがないです。
表面部分が傷ついて内出血をおこす。
それに効率よく特にはほど遠い貧弱な成果しか得られない。
ただ肘を使ってワークをしてみてはと提案するだけでは、
この程度のことしかできません。
実はご自宅で御主人に実験台になってもらい肘を使う練習をしたそうですが、
まさにそのときの御主人の反応がこんなようなモノだったそうです。


そう聞いて私なりの肘の使い方をお伝えした次第です。


肘を使うにもいろいろ工夫が必要。
・肘を支え固定する筋肉の操作。
・肘に圧を与える重みのかけ方。
・肘の圧に方向性を与える仕方。
これらは別々の筋肉特性を活かして分けて筋を使うことでおこないます。
ひとつの筋肉は一つの仕事をするときに短く縮み筋力を取り出します。
その筋力を取り出すには各々の筋肉ごとに得意・不得意の動きがあり、
各々の筋肉が得意な動きをするように力を引きだす。
そしてその力の総和を肘の一点に集めて表現する。
簡単にできることではありません。
私自身まだまだ研究段階で完成系とはほど遠い。
でも少しずつ工夫を積み重ねることで、
着実に前進している実感があります。


だからけっこう肘を器用に使うことができるのです。


あとこれはくだらないことなんですけど、、、
肘に当たる力が強いため肘の部分の皮膚から毛が生える。
合気道をすると手首を握られるので、
握られる手首部分から濃い毛が生えてくる。
それと同じです。


肘部分の毛を観て肘の使用頻度がわかる。
真面目な話、肘に立派な毛が生えて一人前です。
なぜだかけらけらとそう話し合いながら笑ってしまいました。^-^;