例えば膝が痛い人。
その方の膝をカウンターストレインや他の手技を使って改善したとします。
その方がもし呼吸が浅かったとしたら、
じきにまた膝の痛みがぶり返してくる。
そのようなことが起こる。
呼吸が深くできるとき。
腹式呼吸という下腹部が膨張縮小を繰り返す。
その振幅があります。
身体が無意識に前後にゆれている。
そのゆれにより身体の筋肉や関節、そして内臓が緩みます。
そして血行などの体液循環が促進されます。
ほどよいゆれはゆったりと緩んだ身体を作ります。
人間は常に微妙にゆれながらバランスをとるようにできています。
そのゆれの中心が身体のコアに一致しているとバランスがよく保てるのです。
呼吸が浅くなっているとき。
このような筋肉の弛緩作用が起こりにくくなります。
そして呼吸の浅さを胸式呼吸でカバーしようとする。
そのためからだの重心は丹田部分からみぞおちあたりに上昇。
それはだるま人形のなかに入れてある錘が底部に仕込まれず、
ずいぶん上部に仕込まれたようなもの。
一度ゆれたら重心が上にあればその不安定さが強くなります。
そのため膝が痛いときに膝だけ解かれて呼吸が浅いままならば、
身体のバランスが不安定な状態は変わらないということです。
だからすぐさまそのぐらつきを膝でカバーしようとして痛む。
そのような仕組みです。
ならばどうでしょう。
もし呼吸を深くするようなカンタンなトレーニングを
日ごろから行ってみたらどうでしょうか。
例えば身体に負担がかからない程度の気功をしてみるとか。
鼻から深く息を吸いこみ、
口からゆっくりと吐く。
それを10回から30回程度。
身体を緩めながら緊張せずに仰向けに寝たままやってみる。
朝起きたときの日課にしてみてはいかがでしょう。
深呼吸をすることが膝や足首、
股関節などの身体を支える大切な部分を緩めることとなるわけです。
呼吸の深さも習慣のひとつ。
深く吸うことに慣れていくと、
身体のバランス力を改善し脚部まで緩みだします。
もし呼吸が浅くなっていると気づいたら
深い呼吸をしてみませんか。