『瓶を見るな、中に入ってるものを見よ。』


私たちは自然の法則を自分の体で表現するようにできあがっています。


ただ自分で見つけた自然の法則を他の方に伝えるのは難しいものです。


たとえば外形的な映像を写真にとり見せたり実演したりするのは簡単。
あとは内容を文章などの解説に頼る。
それが一般的な方法だと思います。


そうすればいいじゃないのといわれるでしょう。


そのときのカタチは学べるかもしれませんが、
カタチや動作のなかにある内容は伝わらない。


形を造りだしているのは内側にある中身なんです。
そがあってこそ形ができあがる。


本当に形をまねたければ中身を分析し理解できるようにして、
中身を作り上げていくようにしなければなりません。
そのとき形はおのずと同種同一のものとなります。
その中身には「骨の位置」「筋肉の緊張や弛緩」「神経」
「血液や体液の集まり」「気と呼ばれる電気的な経絡線を通る情報」
「重さ」「連なり」「時間経過による変化」「温度」「湿り気」など、
その他多くの情報が折り重なるように小さなスペースに共存しています。
それらの中身に気を配り磨きをかけて輝かせる。


たとえば太極拳やバレエやヨガなどを創始した方々の偉業とは、
内部感覚で自らの内側を自然の法則に一体化させる模索した。
中身を創りあげた。
外形は自然に物質の結晶が幾何学的に美しく並び整うような姿になる。
力学的にも強い構造体ですし同時にしなやかな生命の流れをも感じる。


そこに中身から発する美しさの表現がにじみ出てくる。


体内部が自然の法則を理解応用して生きる姿勢です。


目で見えた体の外部情報だけを情報源としていると
心もとない薄さを感じるのはそのためだと思います。


日ごろから体の中身の声を
ひとつでもふたつでも聞く。
その練習で動きや姿勢を学び発展させる力がめきめきついてきます。


タルムードでも、
「瓶を見るな、中に入ってるものを見よ。」といいますし。