『坐禅<いま・ここ・自分>を生きる』著者:対本宗訓/春秋社を読んで。
息という漢字を上下で分解すれば、[息]=[自]+[心]となる。
息が心と深い係わり合いを持つことを象徴しているようです。
息が整えられていれば自らの心も整えられる。
息が整えられなければ自らの心も乱れていく。
といえいのではないでしょうか。
一日の呼吸回数は一般成人で約2万回。
呼吸にかかわる筋肉といえば一般的に肋間筋と横隔膜。
その肋間筋や横隔膜はストレスや心の病などの心因により動きが悪くなる。
うつむいた姿勢になったり、
常に緊張が抜けなかったり。
それによる不良姿勢では呼吸も深くできないのです。
それが長期間にわたり肋間筋や横隔膜の動きが制限されてしまうならば、
それら呼吸にかかわる呼吸筋は弱化や硬化していきます。
ここで二次的な問題発生です。
肋間筋部分や胸肋関節部やみぞおちなどを押してみる。
すると硬く動きが少なかったり強い痛みが感じられる。
硬化し過ぎれば痛みはあまり感じないかもしれない。
呼吸筋が動けず呼吸に乱れが生じています。
呼吸が乱れて息がしづらくなれば
それが自分の心に影響を与えます。
心因により呼吸筋が硬直化したのが常態化し、
いずれ呼吸筋がしこりとなり自分の心を乱し始める。
息が整えられなければ自らの心も乱れていく。
のですから。
心因としてのストレスが継続すれば呼吸筋の硬化による呼吸抑制が
状態悪化を加速化させます。
心因としてのストレスが解決しても呼吸筋の硬化による呼吸抑制が
あらたな自らの心を乱していく原因として居座ります。
このようなときは肉知的に呼吸を抑制している原因を解決すること。
そこをセットにして事にあたるとよろしいようです。
ただ呼吸筋を肋間筋と横隔膜としたのはざっくりと大雑把過ぎです。
呼吸に関連する筋肉はそんなに単純ではありません。
そのことに気づき対処しないと成果が得られない。
そこが研究のしどころなんですよね。
『長息は、長生き』なんですから、
長い息ができるような体つくりが
求められているのだと思います。