体の姿勢の悪しき定番はもたないほうがいい

ワークの初回時。


お客様の体の筋肉のつき方を観察すると
筋膜リリースだけで安定した状態が維持できるか予測できてくるようです。
長期にわたる慢性的な不良姿勢をしてこざるをえなかった方は
体の使い方の改善がなければいつまでもその不良姿勢に戻ろうとする。
不良姿勢や動き方の癖を脱却ししこりを再度つける状態から離れたとき、
初めて手放しで喜ぶことができるのだと思います。



ただごくわずか筋膜リリースをしただけで
体の使い方が以前の状態の悪いわだちのパターンから抜けられる人もいる。


ただこれは慢性的な問題がある状態であった方にはめったにないことです。
私がワークをしてきた経験からすれば数名いるかどうかです。


虚弱体質で体の筋肉を必死になってがんばって使わなければ、
そんなことを思っていたのが、
いい感じに(?)筋肉に力を入れてがんばるのはしんどいし、
極力楽をしていかないと体が持たないという悟りを開いた人。


そういった虚脱状態にまで追いやられたために
施術の受けはじめでは深部まで多くの問題が山積しています。


だがその問題をひとつひとつクリアしていくと、
極力楽をしたほうがいいしそうしないと持たないという脳が
安定した姿勢を得たらそれを選択し、
体幹からの良質で疲れ知らずかつパワフルな動きを体験すればそれを選択。


感度がいいし感性もいい。
赤ちゃん並です!


本当にうらやましいほど。



赤ちゃんは周囲の大人の動き方を観察して、
それを脳裏に焼き付けて定着させる力がある。
細部まで言語を挟まずにイメージ記憶を得意としている。


ただ物心がつくころにはその脳の柔軟性が薄らいでくる。
時間をかけ自分の体の内側に作り上げた『定番』を持つと
赤ちゃんのような吸収力が発揮が妨げられてしまうのです。


だた『定番意識』に危うさを感じ、
新たなアイデアに活路を求めようとせざるをえないとき。


定番の姿勢や動きに引き戻されず迷い苦しむことがない。



ちなみに私がここでいう姿勢や動き方の改善は、
施術等で多少アライメントが正しくなる程度は問題外です。
それは当然起きる範疇ですから。


一時的に理想状態に近づいても
数日後に以前の体の使い方を再現させてしまうのならば改善の余地ありです。


このようなときには
時間と根気と根性が必要かもしれません。


体のムーブメントを意図的に改善する学びをしたり
良好なエクササイズを日々繰り返し身についたミスアライメントを修正する。
長年かけて培ったからだの使い方の要領を手放すことまでを、
体を長く健康に保つための仕事として認識したとき
つらく繰り返され深まっていく一部の慢性的症状さえ造り消すこともできる。


自らが作り出していただけだったし
自らが作り出さない選択もできると、
シンプルに悟れるのかもしれません。


幸いなことに、
筋膜リリースを受けて姿勢の安定状態や動き方のポイントを伝えられ
さほどの苦もなくさささっとできてしまった方のおひとりは、
精神的な疾患で病院に数年通院なされていたが離れることもできた。
冷え性で神経が高ぶり続け体力がなく疲れやすく病気がちだったが
疲れにくく落ち着きくつろいだ物腰となり呼吸や血行の代謝も改善。



そのような変化を目の前で見せられた私は、
『あら、すごいことが起こるもんですね〜』と驚く。
言われた本人もまんざらではない様子です。


このような奇跡の人のようなことは稀ですが、
動き方の妙を体で表現できるようになれば施術がいらなくなると思えた。



そこへたどり着くまで時間がかかってもいい。
むしろ最低でも3年程の時間をかけたほうがいい。


生活の隅でその手の本を読書したり習い事をして
マイペースなステップアップ・プランが大切です。


私はかれこれ十数年ちまちまと勉強していますが、
結果的にまだまだ未熟なもので日々勉強ですけど。