中丹田を活かして胸で歩く

体を動かすときに便利な概念に、【丹田】があります。


眉間奥の上丹田
胸の中央にある中丹田。
へそ下3寸にある下丹田


この3つです。


動く骨(コツ)―動きが劇的に変わる体幹内操法』という本には、
この3つの丹田の関わり合いがわかりやすいイラストを付して解説している。
お手持ちの方は、ぜひ参照していただければと思います。


へそ下3寸にある下丹田丹田と呼んで、
その他の上丹田中丹田をあまり意識していない人もいるのかもしれません。



胴体の基底部という地面にもっとも近い下丹田は重要部分です。
建物を建てるときにも基礎をしっかりと工事して整地してから
上物を建てていくものですから。
意識される優先順位が真っ先の場所です。


この基礎部分としての下丹田が出来ていないのに、
中丹田や上丹田やと申されても、
微妙な感じがします。
せめて下丹田と並行して合わせて考えておくべき。


では骨盤の前傾が修正された立ち方ができてきた。
丹田がイメージしやすい状態です。


次に胸部分にある中丹田との下丹田との関連性を認識してみる。


すると面白いことが体験できるはずです。


丹田を意識することで脚に根が生えたようなふんばりが効く。
重心が重くなるため力士などは重要な部分だと言えるだろう。
立つときにとてもどっしりとした安定感がある。


ただこの下丹田のみを意識しておくのでは、
バレエをしているような体を軽やかに操りたい人には微妙。
体が浮くような空中に舞うようなという表現がしづらい。


それが胸部の中丹田という3つの丹田のなかでも、
もっとも円周の大きな丹田で強力なトルクをかけ、
同時に真ん中の丹田であるためその上に乗る上丹田
下に位置する下丹田の両方に安定的な影響を与えてくれる。


ある意味で申せば、
中丹田とは下丹田中丹田・上丹田という
3つの丹田のなかのコアに当たると言える。


ここを意識的に把握してコントロールすることで、
体の力みをおさえて動きを作り出せる。
「胸で歩く」という体の重みを活かす妙技ができるのもここ。


今日、お客様に中丹田を意識してもらうために
胸の前と背中を手で触って確認してもらう。
次に私がお客様の中丹田部分を胸と背中を挟むようにして、
胸部を垂直になるように微修正をかけていく。
そのまま胸郭を私が挟んだまま前の方に押し出していく。


そうすると転ばないようにする反射が起きて、
自動的に歩き出す。
不思議な感じがするほど、
足の存在を忘れて歩を進めることができる。



ただ胸部が垂直に立つ位置が微妙にでもずれて傾斜しておればできない。
客観的に自分を把握して胸部の垂直性を理解することが難しいのだが、
それがマスターできると体は活きた動きをしてくる。
これができるようになると歩くと整体されていくというレベルに達する。
そんな気がします。^-^)