その一手に、どれだけを賭けるか。

今、『全脊椎の作用と性質』や数冊の
だいぶ歯ごたえのある本を暗記中。


覚えは決して良くはありませんが、
短期間に繰り返し学ぶことにより
記憶の定着はしてきてくれている。



有意義な時間を過ごせています。



これらの基礎を叩き込んでから、
人体を眺め目に飛び込む情報は
精度面の飛躍は著しいでしょう。


ただ、世界中の知識を得られるわけではない。
縁のある技術を身に付けるにとどまりますが、
そこに勝負を賭けるしかないこともあります。


施術は人体構成のルールがわかると楽しいが、
施術の完成形などは、想像も着きませんので、
あやふやであればいつも一手に不安がでます。


病気になってはいないが健康ともいいがたい。


『未病を癒して復調を促進させること』
東洋医学はそこにも重きを置いた見方も積極的です。
『未病』から『健康体』へ。


施術も「このような症状はこれでおさまる」と、
豊富な知識を提供してくれるところもあります。
今の私はそこをひたすら暗記中。


容易に根っこまで入り込んでかたをつけるには、
暗記した知識だけでは断片的で使い勝手が悪い。
どうにか使えるようにしなければというのが、
この暗記物の後に控えています。


ここまで歩みを進められれば、
施術の手数を減らしていくが
成果は同量かむしろ増します。


緻密な調整操作をしたとしても陰性が強いお客様が増えた現代。
例えば心臓が高鳴り緊張し時間に追われる生活で交感神経が行き過ぎて、
エネルギー代謝が悪くなって久しい状態の方は、
大胆にブロックが強烈化した部分を掘削していかないと戻りがあります。


体内事情では、過労や心労で酸化によるイオン引力が低下し粘性が上がり免疫系異常。
マッスルポンプが正常に働けていなければ代謝不足からくるエネルギー不足な組織たち。


ここを見据えたときに、ダムのように体内でせき止めるものたちを拭い、
清めていくことが先のように感じて筋膜リリース系をひたすらにしてた。
そうしていくうちに、成果がでてきたのならば、
次に進むことが必要な時期にきたのでしょう。



内情はそこだけの浅いやり方ではないのですが、
そこができて次に進むことが何より大事でした。



体の芯に入り込んだ筋肉の鎧を脱がせてから、
緻密な部位調整をポイントでしていくことで、
という連携がうまく噛み合えば理想的。


その両輪を自転車の車輪にして回していけば、
安定感も出て、スピードを上げても転けない。



そんな軽快な乗り手になれるよう目指します。




棋士羽生善治の一手には過去のデータでは
次の一手を推し量れないこともありますが、
定石を知り抜いた上での型破りだから強い。


定石を知らねば、
攻防のバランスを乱し隙が多く、
容易く本丸は陥落するでしょう。



相手を知り有利に事が運び、勝てる勝負もあります。
自分を知ることも大事です。
知識の数があってこそ最良を選び出せる局面が多いものの、
「これだけ知っていれば大丈夫!」というものもありません。


未病の方々のケアには、
何をすべきかの相応の察しがつきます。


ただし症状として表出してきたときは、
その症状を改善させることができる施術家であるかどうか、
お客様は慎重に調べなければなりません。
かえって症状が悪化することもあります。


今、お体が大変に厳しい状態の方とメールでやりとりをさせて頂いて施術家選びの様子をお伺いしております。
改めて、施術家の選択の大変さや迷い。
そして期待通りには進むことがなく受けた後に苦痛が襲ってくる。
ご家族の方々を含め、つらく長い時間に感じられていることでしょう。
私自身も、どうにかできないものだろうかと、正直、思うものですが、
十分な武器を持たない、丸腰で戦地に赴くようでは自分も味方も玉砕。
だから、とりあえず、その方に関連がありそうな知識を仕事の合間に
探し出していくようにさせていただいているところです。。。


このようなところでも、私の対応力のなさがネックになっているし。




症状に対する王道の定石は対処するのは当然です。
ですが、
体は指の先から心臓まで、頭の天辺から足先まで、
すべてが陸続きですから、部分が症状を持つほど
ダメージを持てば他がカバーをしようとしますし、
症状として表出しているところの裏側に根がある。
硬結部分は、あっちこっち解かれると逃げていく、
そんな器用なことをして自分の存在を守ろとする。


本当は、守ろうとしているわけではないのですが
一度できた状態は、
好いも悪いも関係なくその状態を継続的に維持する恒常性が強く働きます。
傾斜地を転がりだし慣性力を得たボーリングのボールのようなものを止めるには
相当な衝撃がくるのも覚悟しなければなりません。


(ただ体の中で働く恒常性の強さは各人差がありますし、
体が活性化されている人はよりよい方へ進む力がしっかりしているので
みんながみんな大変というわけではないものなので。
一般的にそういった仕組みがあるのかな程度で覚えておきましょう。)


そんな入り組んだことを多く事前に想定していく。


類似したパターンのお客様のデータを思い出して、
うまくいけばいいが、完全に合致するなどはない。


だからいつも新規に、どう一手を打とうか。
プラス思考でいても、不安はぬぐえません。


グラつき倒れやすくなった状態の積み木を、
容易く崩さずに整えられるほどの妙技は、
中国の医聖と呼べるような華佗でなければ。
なかなかできることではないのではと思う。


手が震え緊張をすることもあります。
だが、それでは結果が悪化するから、
今の自分のベストを尽くすしかないと開き直り、
震えを抑えるのです。



だから学ぶしかない。


そうした進歩の積み重ねで次の一手に正確さを増すしかないのです。




症状が出ておられる場合は、
ときには定石として知られた用法で施術をしたのに、
それでもダメージが先にでるほど対応が難しいもの。




陰陽のバランスで言えば、
陽が過多になっていてというひとへのアプローチは、
多くの施術技術でも対応して効果はでてくれます。
陰が過多になられる方が多い今の時代は昔と違う。


多くのお客様が陰に傾いてきたとすれば、
そこに焦点を合わせ対応できるかどうか。



そのような基礎力の向上には多くの時間を必要とするのですね。


「えぇ、この椎骨と椎骨はバランス関係があったんだ」とか
「ここを押すと臓器が機能をセーブして、ここを押すと活発に動くのか」とか、
想像もできないようなところも数多くありましたから。
詳しく読んでいたようで、読み飛ばしていたようです。


いつも、いつも急いでいたから。。。
最小限のステップで、現状の問題を改善させる情報を、
それを取ってくることばかりに本を使い過ぎたのです。


恥ずかしながら、
それを改めて感じました。


だから、今、勉強させて頂いていて、楽しいですし幸せです。
安定感を増した施術をしていけるように、
自分が少しずつ変わる実感はいいですね。



ちょっとした一文の知識も、
知ると知らないでは行動の差が生じます。


そのような知識も、
本当にそうであるかの検証は必要ですし、
検証するにも特徴的な施術のやり方を身につけねばなりませんから。
読んですぐ使えるものではありません。
これもまた歯ごたえがあるのですが、
自分のものにできるよう工夫をして
丁寧に見て行きたいと考えています。


ただ丁寧に学ぶほどに、
時間が経ってしまうものですから。


そこが、とってもまずいところで。。。




私の施術に取り組む立ち位置は、

健康な体を得てベースアップし、全力で生きる手伝いをしていきたい

というのが施術に係る主たる目標。
そこに近づけるよう、
私の脳に頑張ってもらいたいと思う、この頃です。