ぱっと外から観ただけでは隠れていたムシは見つけ出せない。それは身体の奥に沈んだ病も同じことだと思います。

いま、趣味で栽培している『オーヤトゥルシー』というホーリーバジル系のバジル。

とてもいい香りで気に入ってます。

ただ屋上のスペースも限られており、種を200粒購入。
プラスチック製中程度の大きさの植木鉢に密に撒き順調に根付いて伸びました。

ところが。
ヨウトウムシ、アオムシが大発生。
葉もボロボロ状態。
ヨウトウムシは花の付け根より少し下を噛み切ってしまい、
花も落とされる始末。

その落とされた葉や茎は、
部屋で容器に水を入れて浮かべ芳香剤代わりにしています。




いまのこの植物上の環境は、これらの虫たちには。
密に植えられた、風通しが悪い、食べ物が豊富にある、そして天敵がいない。

パラダイス。

なーるほど。
パラダイス。


いくら害虫を駆除しても、終りがない。
新手の卵が植え付けられてはまた戦いが続くのです。


そんな矢先、
農業系の専門誌をみると、
イノシシから農作物を守る達人が初心者に対策の秘策を教えるページを読みました。
そこに、いいヒントが。。

猪の被害対策の達人が、
初心者さんに「イノシシの目線になるように」つたえて、被害の出る農耕地を見渡すように言いました。

初心者さんはイノシシの背丈に身を潜めて、
畑を塞ぐ柵の高さを観た。
「この柵じゃ、低いから食べに行けるぞ」
(この時点で、イノシシが苦になる柵の高さがわかったわけです)

イノシシの目線から、自分の畑を見ると、
採っていきやすいところにおいしそうな作物がある。
それじゃ、食べに行くよな~
とイノシシの気持がわかってきた。
何度かぱくついたら、また来たくなって被害が続く。
当然だよな~と思えて来ました。

イノシシの目線のまま、どうしたら畑から作物を取りづらくなるか、考えてみて。

それができたら、イノシシの被害が消える。それがわからなければ、被害は続くんだ。

といいいます。



そういわれて、私もハッとしました。

うちのオーヤトゥルシーは、ムシたちの目で見てヨウトウムシやアオムシにはパラダイス。
そうなると「こんなところに住めるか!」と虫たちがぼやく環境に変える工夫をすること。


そこまでわかってくると、
密に植えられたところから、大胆に間引いて風通しを良くする。
本数を減らすことで、隠れる場もなくなる。

実は、市販でヨウトウムシ・アオムシを駆除するスプレー式の園芸薬剤があるので、
それをとっとと散布すればすぐにこの問題は終わるのです。
ですが極力、薬剤は使いたくないと粘ったことで、
いつもの自分の目線からではなくムシの目線が大事だと気づきました。
また農家が農薬を使いたくなる気持ちも、わかりました。。
どれほど捕殺駆除が、しんどいことか。
やったことがない人にはわからない。



ここで、人へと視点を変えて観てみましょう。

人は、時として病を得る事があります。

とうとつにその病が自分の身体を蝕み、
自分を苦しめるヨウトウムシやアオムシにやられたかのように「それを叩かなければならない」と感じることがある。
病を叩かねばと躍起になって、いろいろな薬やケアで終りが迎えられるまで叩き続けます。

そのときの目線は、
人がヨウトウムシ等を駆除しなきゃいけないと忌々しく思って延々に戦い、被害はとめどなく終わらないとき。
それと似ているような気がします。

ムシの側の目線になったつもりで、
その場の環境を眺めてみるように。
病の目線で自分の状態を眺めてみよう。

たとえば「いつも左腰のここがことあるごとに痛みがでるんだ」という悩みがあるとき。
痛みが出ているところの、その場の環境やそうなった経過を探っていくと、
解消の緒が冷静に見つけ出せることも出てくるかもしれません。




あと、余談ですがもう一つ。
ヨウトウムシやアオムシをだいぶ駆除したからもう大丈夫だろうと思っても、
葉や茎がぼろぼろになるペースは続いたのです。
目視してもムシたちが見えない感じだが、間違いなくいる。

そう感じて、手で葉を掻き分けてかき分けて。
手を使って探り出すようにして探索の手を伸ばしたら、
葉の裏に葉のすきまに、ところどころにごっそりといるのがわかりました。
目でぱっと見るだけでは見つからない。

かき分けて奥の奥まで覗き見ていくこと。
そのような必死に手をかけて探索をして、
はじめて前進なんだなとわかってきました。

病や疾患の目線で環境を探るときも、
それらがいる場を手でかなりガサガサと書き分けない限りわかるものじゃない。
「目でぱっとみてわかったつもり」では、
あとからあとから虫食いの新手は収まらないのと同じことが起きるのです。

そこを痛感。





私も施術では、手で触って、皮膚の下の温度、硬さ、ゲル状湿り気、層の分離、様々な視点で情報を読み取るようにしています。
そのように心がけてはいたつもりですが。
今回のムシの駆除では、手でほんとうにがさがさとオーヤトゥルシーがぽっきりいく寸前まで探すと、
ぞくぞく隠れたムシが見つかるというのがわかってきて。
ここまでがっつりとがさがさと施術中に人の体のトリガーポイントの探索がなされていただろうかと。
振り返りました。

もちろん、そんなガサガサした手では、やられれば相当に不快ですから。
やってはならない禁じ手です。

だが、代替え案で不快感を落としつつ探索を深めるやり方を見つけ出せないだろうか?
それができれば、体の奥のトリガーポイントなどからその周囲の血管、リンパ、神経など、情報を得ることもできるようになるのでは。
動脈や神経等の、傷害すると命に関わるものは体表からもっとも奥の部分を通り、
そこの情報を正確にキャッチする、それも手だけで触診で、、、となると難易度は高いものでしょう。

でも、この深さの組織の状態が病が沈んで進行したときに、モンダイが潜り込んでいるところなのです。
どうにか探り出す手を持ちたいです。

そのように感じるようになりました。