書籍紹介:『植物はなぜ薬を作るのか』

多摩川土手でよもぎ摘みでは、好んでマダニの住処に突進し襲われています。
ダニにくわれると、かゆみで心身ともに切ない思いをすることに。。。

ダニの駆除スプレーがテレビのコマーシャルで流れています。
「ダニ」の多くなる時期ですね~。

湿度が高まり温度が暖化するにともない、
部屋の隅々まで掃除機をかけ、布団を干すだけではダニの勢いは止まりません。
ダニスプレーやダニ捕獲シートを毎年買っています。
どっさり購入すると5000円前後と費用がかさみます。
それでもダニ被害は消えるわけではない。。。。





春先に「和種はっか」の苗を購入し育てています。

「ハッカ」を漢字で書くと「薄荷」です。
ハッカ油を絞った後の搾りかすがあまりに軽くなるというのが薄荷命名の由来です。
ハッカ湯には効果的な虫よけ成分が含まれます。
人にはクールな薄荷オイルの清涼感を含む成分は無害化できるのです。
だからハッカ飴も楽しめます。
ですがダニやゴキブリ等の虫やねずみなど小動物は、解毒機能をもたないため死に至る有害さ。
人が有毒ガスを浴びたときの苦しみ方と同様の反応が体内におこるのです。

そのおかげで和種はっかの鉢は、害虫が寄り付く気配はありません。

ならば私が自宅で快適に過ごすために出費するダニ対策費削減に使えるか?

試したくなりました。

和種はっかの葉を、数十枚摘み取ってボトルに入れて水を加え薄荷水をつくる。
部屋に霧状にして散布。
「ハッカ水」は、薄荷オイルの抽出が不十分で防虫剤としては威力が弱く感じ、
ハッカオイル抽出の研究は必要です。。。



以上、「アロマ効果をこのブログで求めているわけではない!施術研究とは違うでしょ!!」と突っ込まれそうです。


たとえば昔から漢方は植物由来の「生薬」にお世話になってきました。
生薬は、甘草、麻黄、人参、その他、様々な植物が利用されています。
そのようなものであれば、「まぁ、認めよう」と思っていただけるかもしれません。



私がアダプトゲンハーブなどと言われる「メディカルハーブ」や、
その他多くの人の暮らしに有用な植物について調べていたとき。

「なぜ自然に自生する植物は人の身体の治病や健康維持に役立つ薬を植物がつくってくれているのか」

不思議に感じました。

そんなときに、下に紹介した本を知り読ませていただきました。



植物はなぜ薬を作るのか


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(本書紹介文---以下Amazonの該当ページより抜粋)

「動かない」という選択をした植物のしたたかな戦略が「薬」をもたらした!

モルヒネキニーネ、ヤナギの成分から作ったアスピリン、生薬を用いる漢方薬など、人間は古代から植物が作る化学成分を薬として使ってきました。また、ポリフェノールカテキン、フラボノイドなど植物由来の成分が、いまや日常用語として使われています。

しかし、つい最近まで、なぜ、どのように植物が薬を作るのかは解明されていませんでした。その根源的なメカニズムがわかってきたのは最近のことなのです。分子生物学やゲノム科学という先端的な科学の発展によって、植物の巧みな生存戦略に隠された、植物成分を作る意義と、その方法がわかってきました。

土に根を生やして移動しない、という生き方を選択をした植物は、人間も含め、共存する生命との協力関係や敵対関係のある環境のなかで、生き抜いていかねばなりません。たとえば、動物などの捕食者から身を守るため、苦味や渋み、あるいは神経を麻痺させる有毒な化学成分を作るように進化しました。こうして作り出された化学成分が人間の健康に役立つことがあるのです。

植物は、進化という厳粛な自然の審判に耐えながら、きわめて巧に設計され、洗練された方法で、多様な化学成分をつくるという機能を発達させてきました。私たち人間は、それを薬として少しだけお借りして使わせてもらっているにすぎません。

この本は、もの言わぬ植物からの伝言メッセージです。


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いままでは、該当する症状に対処できる植物は経験則的に調べられたもの程度に思っていたのですが。
メディカルハーブ系の専門書を紐解けばベンゼン環的な成分を図示するような図が描かれていまして。
どのようにして化合物の成分図を把握理解し活用すればいいか、見当がつかなかったのです。

それが本書でとりあげられた少しだけ部分は、「あそっか!」となりましたし、
そういった理解は今後の見方の訓練として必要だろうと感じられたのです。


でも専門性高い解説項も多く、私は 1/20 くらい理解できたかな。。。 ^-^;
でも手に取って植物が作る薬づくりの歴史や流れの概要が頭に収まったのは貴重です。

(ちなみに私が上記の本で興味を引いたのは「第五章 植物の二次代謝と進化のしくみ」です。)




植物たちの生き残るための戦略は、多岐にわたります。
たとえば、、、
化学物質の生成力を駆使して細菌にストレスをあたえ抗菌攻撃を繰り出して病気から細胞を守ります。
ポリフェノールをもちいて抗酸化作用でみずからの細胞を守る。
植物の生育条件や病害虫から身を守るため日々やり方は進化し続けます。

ということは。

植物の生育の様子を、
バリエーション豊かに観察をつぶさに記録し分析をすることで、
生き残り戦略をとる様子から、
その植物がつくり出しているお薬(科学的に合成して作り出した成分)の内容が推測し得るのでは?
そのような視点で栽培中に観察の眼を光らせることで、
自分なりの発見が追加できるかもしれません。



結局は!

植物が自らを守るためにつくりだした化学物質を人が狙って、
おすそわけをねだったり、
ごっそりと横取りする「搾取の関係」で成り立っています。


改めて役立ってくれた植物に感謝の気持ちで接したいと感じました。
それが礼儀ですよね。