仙骨の癒合した結果が思わしくなかったときの対処法の一例です

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仙骨となる仙椎骨は、誕生時の5つに別れた仙椎です。
それは16--18歳ごろから徐々に癒合をはじめ、
およそ34歳くらいまでに1つの仙骨として完全に癒合します。

15歳以前は、仙椎骨はダンゴムシのように節の部分で伸び縮みしたりねじれたりしていた。
だから身体が柔らかく使えるんでしょうね。
それが16歳頃から癒合し始め、一枚板のような一定の形状を保つままの骨に変わる。
つまり成長するにしたがい、骨の数が減るっていうことですね。

このときに仙骨が理想的な左右対称で適度なアーチを得た状態で形状が作られたら幸いです。
それが癒合しだした16歳以降の状況により、
成長時に栄養や姿勢、運動、精神状態などの過度なストレスがかかることで、
仙骨癒合がはじまったころにそのストレスが影響を与えると言われています。

仙骨が癒合したときに左右非対称となり適切なアーチの形成が観られなくなる。

仙骨は脊椎全体を支える基底部です。
だから仙骨のねじれや左右非対称は脊椎の歪み原因となりますし、
他にも仙腸関節のずれがあらわれるため歩きにくさや立位姿勢で疲れを感じたり、
呼吸及び自律神経への悪影響が懸念されるようです。


仙骨は腸骨の内側に入り込む部分の量が多いときがあり、
仙骨周囲の靭帯や腱が骨と同様かそれ以上の硬化が進むと仙骨の形状が触診では見えてこないときがあります。
仙骨の形が施術をして骨化した仙骨周りの靭帯や腱を緩めると形状が変わり続けるんです。
そうした事実を知らないで、そういった骨化した腱や靭帯を仙骨だとご認識することで、
施術は迷宮に入り続けて表に出れなくなるんですよね。
これ、怖いことなんです。

仙骨をCTなどで撮影することで仙骨があきらかになるのですが。。
なかなか仙骨の変位があるようだから詳しく調べたいと考え、
CTを撮りたいと医療機関でお願いするのも。。。
正直、勇気がいります。

そんなとき私どもの基礎知識から
胸骨と仙骨が形状が類似した部位がでてくるということを知っております。
寸分違わずという類似性ではないため、あくまでも類似性からの推測を得るにとどまりますが、
こうした知恵から皮下の世界を冷静に覗き見ることができ施術の手が効き始めるのですね。
胸骨という胸の前にある肋骨と肋骨に挟まれた骨が内側に落ちくぼんだり、
またはねじりが入るような状態があれば、
それが仙骨にも部分的に同様な変位が生じている場合があるのです。
そうした眼で仙骨を探ると、ごまかされそうなトラップにかからず、
なるほどーというものが奥からひょっこりと首を伸ばしてでてくる。


ただこれは他人事ではなく、私自身も、仙骨癒合形成上の変位があったため、
幼少期から青年期、そしてそれ以降にも体力のなさや自律神経上の不調等を持ち続けた一人です。
それは私がベン石温熱器を利用して自身の仙骨周囲をリリースしつづけたとき発見。
そして、どうもここが大きなボトルネックとなって、
心身ともに大変なハンディキャップを背負い続けてたと気づいたんですね。
仙骨が異常な癒合となった際は、手術を含め施術でも手が出せるものではないのです。
5ミリも仙骨の骨が削られれば、呼吸が止まり絶命します。


そのようなハンディキャップはあったものの、
時代が深層筋の動きを探るボディワーク全盛期。
そこで脚や手や胴などを操る深層筋を使うやり方を手探りして、
筋腱の軟部組織の操作性と安定性を向上させることができるとわかり、
そちらを中心に学び実践することで仙骨の癒合異常がカバーできるところもあるんだと
身をもって知りました。

面白いものですよね。

お客様の中にも、仙骨癒合の結果が思わしくない方もおられます。
脊椎へのストレスを自律神経へと影響を与えて不可解と言えそうな不調を抱えることがあります。
自律神経上の不調は、肩こりや腰痛ばかりではなく、
消化器や循環器などの内臓の不調や他さまざまな現れ方をします。

私には、自分が得てきた体験から、
仙骨癒合による不利益があれば、
身体の内部に眠る軟部組織の活性を得てカバーできるようがんばっていただければと願っています。
『なんで、私だけこんなつらいことをしなきゃならないの!?』と思われそうですが、
『私も、そういった身でしたから、私だけじゃないんですよ』とつたえました。
自分が経験したことを押し付けるのもいいたくはないのですが、
そうすることで現状が肯定的に刷新できる可能性もあると自信を持って伝えることができます。
それは貴重だと思えてきます。