肋軟骨って大きいんですね

私のところへ来た人体骨格模型。


お客様のTさまに「小山さん」という名前をつけていただきました。
それ、即、採用。^-^)


小山さんの胸骨は肋軟骨に支えられている。


肋軟骨部分は透明の素材で造られています。


それを観て、数名のお客様がなんで透明なの?と疑問に思われました。


「そこは肋軟骨ですよ」と、申しますと、
「えぇ!思ってたよりも、肋軟骨って大きくない?!」と驚かれました。


確かに、大きいのです。


私も最初に小山さんの胸郭を見たときに、
肋軟骨部分が綺麗に透明な感じがあっていい感じだな、
と思いました。


等身大人体骨格模型という、
スケール感がリアルだ観察がしやすくなるような気がする。
「小山さん」のお手柄です。^-^)




下記のイラストをごらんいただければ、
肋軟骨のエリアの大きさはつかめるでしょう。


この肋軟骨という柔軟性を持つ軟骨部分があるから、
胸郭は思った以上に自由に形状を変えられるのです。


ただし本来は柔軟性を誇る肋軟骨も、
何らかの理由で硬化して骨化に近い硬さへと移行することがある。


肋骨の左右や上下、前後など形状が異型しており整わず、
肋軟骨の柔軟性が低下している。


さまざまな様子を表すのだが、
肋骨が開ききった状態で膨れたままで固まったり、
肋骨が狭く前後で閉じて薄くなったまま固まるなど。


たとえば手が右利きで、
右大胸筋を使いすぎて、
気づいたら右胸郭が膨らんだままになって固定されているという人は多い。


また消化器が弱くて横隔膜下にガスがたまると、
そのガスにより肋軟骨の下端がしゃくれあがる。
そしてしゃくれあがったまま固まることもある。


そのようなときには以下のような不都合が生じてしまうこともある。


胸腺を締め付けるため免疫物質をそこから全身に排出しづらくなりアレルギー体質になる。
深く呼吸をすることができなくなり呼吸器に問題がでる。
心臓に圧迫があって血圧異常などの循環器に問題がでる。


なかなか胸郭が硬いと免疫物質が全身に配信できなくて
風邪をこじらせたり喘息になることもでてくるのですね。


そして激しいくしゃみをすれば、
肋軟骨骨折が起きることもある。


本来は肋軟骨は柔軟性が富んでいるためくしゃみをしても
くしゃみの衝撃を肋軟骨の弾性で吸収して事なきを得ます。
ですが肋軟骨がカチカチに固められていれば、
本来の柔軟性がなくなり骨折の恐れが起こる。
しなやかに曲がる竹は衝撃に強いものですが、
固く水分を失った木は衝撃にもろいものです。
カチカチになった肋軟骨は、
その組成物のコラーゲンが
水分を失い冷たくなり硬化。
なので上記の水分を失って折れやすい木のようになっている。


だから大変にその部分に外的な衝撃を与えるようなことは危険が伴う。


だから肋軟骨骨折の事故は、
意外にも施術中に起きることもあります。
鎖骨や肋骨は施術中に折れやすいところの代表格ですから、
気をつけて扱う癖がついています。
慎重に輪をかけて慎重に。


昨今では、この肋軟骨部分が硬い人が多くなってきており、
施術をするのも息を止めながら事故を起こさないようにと
殊の外、大変な感じになってきているようです。
それは私だけではなく、
他の施術院の先生も、
そうおっしゃっておられました。


だからとにかく事故を起こさないように
必死に考えて対処してちょうどぐらいですね。
そこまでしていても、
事故が起きることもあって、
怖いため触りたくない部分。


ですがあまりに胸郭が固くなり動きを失っていれば、
そうもいっておれないのです。
この部分、自然に緩んだり、エクササイズで変わるなど、
硬化が進めばほとんど期待ができない部分ですから。


なので施術でリリースをしていくことで、
本来あるがままの柔軟性を取り戻すべき。
私はそのように強くお勧めいたします。


私も以前はこの肋骨周辺は解き方を試行錯誤していました。
数年前当時は鬼のように鋭く刺さるような痛みがでるため
なかなか深部まで緩められませんでした。


ですが今は、私独自のこの部位のリリース方法の研究も進みました。


私自身、お客様の胸郭のゆるみ方を実際に目にしていますので、
我ながら感心してしまうことが、未だにあるんです。^-^)


本当に、この部分のリリースは数年前の私には不可能でしたから。


肋軟骨周囲をちょっとは解けて緩ませるというのでは、
硬すぎて焼け石に水という人も多くおられましたから、
そのような方々に対しても対応できるようにするには、
一体どうすればいいかと、工夫を積み重ねてきました。
自分なりに、以前よりかは格段によい成績を収められ
がんばってよかったな〜と、とてもうれしく思います。



肋軟骨を動かすことで運動性能を上げる例をあげます。
肋軟骨を開いて傘を開くように前後に開くことができるようになれば、
バレエダンサーがバランスを崩したとき、
冷静に胸郭の前後をふくらませることで、
手足や骨盤などはばたつかずに優雅にバランスを正すことに成功するのです。
優れたバレエダンサーは、まさに肋骨一本ずつを意図的に動かすことも可能。
なので余裕を持ってバランスの崩れを外見上は気づかれずに、
肋骨という傘を広げたり閉じたりすることで補正ができます。


胸郭の形状が肋軟骨を境にして大きく変えられることは、
他にもいろいろと動き方を精妙にしていくときには応用して使える部分です。