痛みがわからなかった状態からの脱却が実にスムースなるために

「痛みがわからない」ほうが硬化が進んでいるというのは、
私どもの常識です。


『痛くない』には、2つのパターンがあります。


ひとつ。
それは健康的に血液がしっかり流れて満たされている状態で炎症もない。
ベストコンディションですね。


ふたつ。
それは健康的とはいえず血液が痛覚神経まで行き届かないほどの循環系の状態が悪くなっているとき。
筋肉や腱や靭帯は強い炎症を持っているのですが、
血行が悪くなりさえすれば麻痺しているため無痛。



痛覚神経が麻痺してしまうのはつらいことですが、
反面、痛みが伝わらないため楽ちんです。



そして痛みがないために、
施術では相当に痛みが出てしまう場所を圧をかけても、
ちっとも痛みが感じられないため涼しい顔でい続ける。



ですがそのままではいられません。


いずれ、施術が進み、
徐々に体の状態が良くなり血流が患部まで行き届きだす。


そうすると、
今まで硬くなって動きを悪くしていた関節部分がパキパキとかバキバキとかクラック音を立ててなりだす。
筋肉も、血流が悪くて冷たかったのが暖かくなる。
いやなほてりがあったのが消えていき、かえってクールになった感じを持てる。


そうして筋肉の超回復力がすぐれだしてくれば、
体力も自然に増していくようになっていきます。


ですがここから、なんです。


ずっと体の奥に隠しておいた炎症部分の蓄積に、
「え〜っ、こんなの、あったんだ!」
とはるか昔に感じた筋肉のハリが再燃しだして、
びっくりするようなこともあります。


つまりこのような炎症部分が筋肉の底に埋まり続ければ、
いつまでたっても筋緊張が血管を圧迫し血流を停滞させ
暗い側面と共存し続けていることになりますが。。。


感覚が、正常化していくに連れて、
血流が悪い以前と回復をした今は、
その落差が大きければ大きいほど
温度差がでてきてしまいます。


温度差が高ければ高いほど、
十分に体内の炎症部分が減少して正常化する過程ではつらいものです。


そのつらさがハンパではないということを体験されそうなときには、
かえって解かれすぎるとつらい体験を受けてしまう。
たとえそれが以降、明るい状況を得るための過程であっても、
原則つらい体験を強いるようなことになるのは気が引けるものです。


しっかりと体の使い方の改善が先行して理解改善されていなければ、
このようなつらい体験が長引くことになるし、
早々にかつての思わしくないコンデイションに自ら戻っていくので。
そのようであれば、そこまでリリースを先走らないことが正解です。



私としては、
どこまでお客様が改善するのだろう。
それが、想像していた以上に、希望していた以上に、
というような結果を得ることが出来ればうれしいですし、
そうなっていかれる姿を、観てみたいものなのですよね。


それは私が施術で解いたというものでなくとも、大歓迎です。
「どこそこで、こんなエクササイズを教えられたら良くなったんだよね〜」なんかは、最高じゃないですか。


また私が十分に対応できないような経絡についてのアプローチなどは、
他の施術院の先生のほうがエキスパートですから、
他院で観ていただくことも、いい手だと思います。


必要に際して、漢方などの力を利用するのもいい。


たとえば、先だって整体の先生と話していて、
「お高い漢方薬、今飲んでますよ」といわれ、
さらに自分の体をバージョンアップするため
ありとあらゆる手を使われているなと、納得。
ものすごい、びっくりするような効き目です。


そうやって手をつくし、
うまくコンディションを引き上げるような工夫をなさると、
先ほど申しました、
痛みがわからなかった状態からの脱却が実にスムース。
変化の衝撃が少なく、移行できるようですね。